AviUtlは、その高いカスタマイズ性と自由度で多くの動画クリエイターに愛用されています。特に、テキストの表示においては「制御文字」と呼ばれる特殊な書式を用いることで、文字1文字単位での詳細なコントロールが可能です。色やフォントの変更はもちろん、特定の文字や行の表示タイミングを一時停止させたり、表示速度を調整したりすることもできます。この機能は、動画にプロフェッショナルな字幕や演出を加えたい場合に非常に役立ちます。
この記事では、AviUtlの制御文字の中でも特に「文字の表示タイミングを一時停止する」方法に焦点を当て、その基本的な使い方から応用テクニック、さらには他の制御文字との組み合わせ方まで、動画クリエイターの視点から詳しく解説します。タイムラインをすっきりと保ちながら、表現豊かなテキストアニメーションを実現するための秘訣を学びましょう。
AviUtlの「制御文字」とは?テキスト表現を革新する特殊コマンド
AviUtlにおける「制御文字」とは、テキストオブジェクトの入力欄に直接記述することで、文字の見た目やアニメーションを細かく制御できる特殊なコマンドのことです。通常のテキスト入力と同じように記述するだけで、以下のような多様な表現が可能になります。
- 特定の文字だけ色を変える
- フォントやサイズを部分的に変更する
- 文字の表示速度を調整する
- 指定した時間だけ文字の表示を一時停止する
- 文字の座標を動かす
制御文字の最大のメリットは、複数のテキストオブジェクトを作成することなく、一つのオブジェクト内で複雑なテキストアニメーションを実現できる点にあります。これにより、タイムラインが煩雑になるのを防ぎ、編集作業の効率化にも繋がります。特に長文のテロップや歌詞表示において、その真価を発揮します。

制御文字は、まるでHTMLタグのように機能します。一度覚えると、テキスト表現の幅が格段に広がりますよ!
文字の表示を「一時停止」させる制御文字「<w>」の基本と応用
テキストの表示を一定時間一時停止させたい場合に使うのが、制御文字「<w>
」です。このコマンドは、指定した秒数だけ次の文字や行の表示を遅らせることができます。動画に「間」を設けたり、重要な情報を強調したりする際に非常に効果的です。
基本構文と具体的な使い方
「<w>
」の基本的な書き方は以下の通りです。
<w秒数>
「秒数」の部分には、一時停止させたい時間を秒単位で指定します。例えば、「<w2>
」と記述すると、その位置で2秒間表示が一時停止します。
活用例
実際にテキストに挿入すると、以下のように動作します。
この行はすぐに表示しますが<w2>この行は2秒間空白をあけてから表示されます
→ 「この行はすぐに表示しますが」が表示された後、2秒間待機し、「この行は2秒間空白をあけてから表示されます」が表示されます。この行はすぐに表示しますが、<w1>この行は1秒間の空白の後に表示されて、<w2>さらにこの行は2秒間空白をあけてから表示されます
→ 最初の行が表示後1秒待機、次の行が表示後2秒待機し、最後の行が表示されます。
<w>
は、セリフの間の「間」を表現したり、重要なキーワードを強調するために一時停止を設けたりする際に非常に効果的です。例えば、クイズ番組の回答表示前や、感動的なシーンでの余韻など、様々な場面で活用できます。
文字数に応じた待機時間「<w*>」でより柔軟に
さらに応用的な使い方として、「<w*秒数>
」という記述方法もあります。これは、<w*>
の直前にある文字数と指定した秒数を掛け合わせた時間だけ待機するというものです。
活用例
今日は<w*1>良い天気
→ 「今日は」が3文字なので、3文字 × 1秒 = 3秒間待機してから「良い天気」が表示されます。おはよう<w*0.5>ございます
→ 「おはよう」が4文字なので、4文字 × 0.5秒 = 2秒間待機してから「ございます」が表示されます。
この方法は、文字数に応じて自動的に待機時間を調整したい場合に便利です。特に、表示するテキストの長さが可変である場合や、複数のテキストで統一された「間」を表現したい場合に重宝します。

動画のフレームレート(FPS)によって、秒数とフレーム数の関係が変わる点に注意しましょう。30FPSなら1秒は30フレーム、60FPSなら1秒は60フレームです。より正確なタイミングを求めるなら、フレーム単位で計算する癖をつけると良いでしょう。
「表示速度」を調整する「<r>」との連携で表現を広げる
「<w>
」が「待機時間」を制御するのに対し、「<r>
」は「表示速度」を制御する制御文字です。これは、1秒間に表示する文字数を指定することで、テキストがタイプライターのように表示される速度を調整します。
<r秒間表示文字数>
例えば、「<r15>
」と記述すると、1秒間に15文字の速度でテキストが表示されます。数字を小さくすればゆっくり、大きくすれば速く表示されます。
<w>
と<r>
は、どちらもテキストの表示タイミングを制御する点で共通していますが、<w>
は「一時停止」、<r>
は「連続的な表示速度」という違いがあります。これらを組み合わせることで、より複雑で自然なテキストアニメーションを作り出すことが可能です。例えば、タイプライターのように文字がゆっくり表示された後、特定の箇所で一時停止するといった演出も、一つのテキストオブジェクト内で実現できます。

知っておくと便利なその他の制御文字一覧
AviUtlの制御文字は、表示タイミング以外にも様々なテキストの装飾やアニメーションに活用できます。ここでは、特に使用頻度の高いものをいくつかご紹介します。これらの制御文字を組み合わせることで、表現の幅は飛躍的に広がります。
制御文字 | 機能 | 構文例 | 解説 |
---|---|---|---|
<#> |
文字色・縁取り色 | <#RRGGBB,RRGGBB> |
1つ目のRGB値が文字色、2つ目が縁取り色。HTMLカラーコードで指定。縁取り色は省略可能。 |
<s> |
サイズ・フォント・装飾 | <sサイズ,フォント名,BI> |
サイズ(整数)、フォント名、装飾(B:太字, I:斜体)を指定。サイズやフォント名、装飾はそれぞれ省略可能。 |
<p> |
座標(位置) | <pX座標,Y座標> |
文字の表示位置を絶対座標で指定。<p+X,+Y> で相対座標も可能。 |
<c> |
表示クリア | <c秒数> |
指定した秒数後にそれまでの文字をクリア(消去)する。 |
これらの制御文字を組み合わせることで、一つのテキストオブジェクト内で、色が変わったり、サイズが変化したり、位置が動いたりするような、高度なテキストアニメーションを簡単に実現できます。例えば、重要なキーワードだけ色を変え、さらに強調のために一時停止を設けるといった演出も可能です。

制御文字 vs. 複数テキストオブジェクト:最適な選択肢は?
テキストの表示タイミングを制御する方法は、制御文字を使う以外にも、複数のテキストオブジェクトをタイムライン上に配置し、それぞれの表示開始・終了タイミングを調整する方法があります。どちらの方法にも一長一短があり、プロジェクトの性質や個人の編集スタイルによって最適な選択は異なります。
制御文字のメリット・デメリット
メリット
- タイムラインがすっきりする: 複雑なテキストアニメーションも一つのオブジェクトで管理できるため、タイムラインがごちゃごちゃしません。
- 微細な調整が可能: 文字単位での詳細なタイミング調整や装飾が可能です。
- テキストの修正が容易: テキスト内容の変更があっても、一つのオブジェクト内で完結するため修正が楽です。
デメリット
- 視認性が低い: タイムライン上で直接表示タイミングを視覚的に把握しづらく、実際に再生して確認する必要があります。
- 構文を覚える必要がある: 制御文字の構文を正確に記述する必要があります。
- 複雑なアニメーションには限界がある: 制御文字だけでは表現しきれない、より高度なアニメーションにはスクリプトやアニメーション効果の併用が必要です。
複数テキストオブジェクトのメリット・デメリット
メリット
- 視覚的に分かりやすい: タイムライン上で各テキストの表示タイミングや長さを直感的に把握・調整できます。
- 初心者にも扱いやすい: ドラッグ&ドロップで簡単にタイミングを調整できます。
デメリット
- タイムラインが煩雑になる: 細かいタイミング調整のためにオブジェクトが増えすぎると、タイムラインが見づらくなります。
- 一括修正が難しい: テキスト内容やデザインの変更があった場合、複数のオブジェクトを個別に修正する必要がある場合があります。

どちらの方法も一長一短があります。短いセリフやシンプルな演出なら複数オブジェクト、長文や複雑な文字アニメーションなら制御文字、と使い分けるのがおすすめです。私は、特に歌詞表示や長尺のナレーションテロップでは制御文字を多用し、タイムラインの視認性を保つようにしています。
AviUtlでプロ級テキストアニメーションを極める実践ヒント
制御文字を使いこなすことで、AviUtlでのテキスト表現は格段にレベルアップします。さらに効果的なテキストアニメーションを作成するためのヒントをいくつかご紹介します。
1. プレビューでの細かな確認は必須
制御文字を使ったテキストアニメーションは、タイムライン上での視認性が低いため、必ずプレビュー画面で実際の表示タイミングや動きを細かく確認しましょう。特に<w>
や<r>
を使った場合は、秒数や文字数の調整が重要になります。意図しない「間」や「速さ」が生じていないか、繰り返し確認することがプロの仕上がりへの近道です。
2. 公式リファレンス「exedit.txt」を活用しよう
AviUtlの拡張編集プラグインには、「exedit.txt」というテキストファイルが付属しています。このファイルには、全ての制御文字の構文や詳細な説明が記載されています。困った時や新しい表現に挑戦したい時は、このファイルを参考にすると良いでしょう。まさに「公式の虎の巻」です。
3. フレームレート(FPS)を常に意識する
動画のフレームレート(FPS)は、時間の感覚に影響を与えます。例えば、30FPSの動画で<w1>
は30フレームの待機、60FPSなら60フレームの待機となります。より正確なタイミングを求める場合は、秒数だけでなくフレーム数も意識して調整すると、意図した通りの演出が可能です。特に音楽に合わせた歌詞表示など、厳密な同期が必要な場面では重要になります。
4. 外部スクリプトやアニメーション効果も積極的に活用
制御文字だけでは表現が難しい複雑なアニメーションや、より手軽にプロフェッショナルな演出を加えたい場合は、AviUtlの「アニメーション効果」や、有志が公開している外部スクリプトの導入も検討しましょう。これらを組み合わせることで、表現の幅は無限に広がります。例えば、文字が飛び跳ねるような動きや、3D空間での複雑な回転などは、スクリプトを活用することで効率的に実現できます。

AviUtlは奥が深く、様々な表現方法があります。試行錯誤を繰り返しながら、あなただけのオリジナルなテキストアニメーションを追求してみてください。最初はうまくいかなくても、何度も挑戦することで必ず理想の表現に近づけます。
動画制作の効率を上げたい方には、高品質な動画テンプレートの活用もおすすめです。以下のリンクから無料でダウンロードできるテンプレートもありますので、ぜひお試しください。
Glitched GPS Rangefinder Title
Passport Stamp Title Animation
まとめ
AviUtlの制御文字は、テキストの表示タイミングを一時停止したり、速度を調整したりするだけでなく、色やサイズ、フォント、位置など、多岐にわたる表現を可能にする強力な機能です。特に<w>
を使った一時停止は、動画に「間」や「強調」を生み出し、視聴者の感情に訴えかける演出に繋がります。
制御文字を使いこなすことで、タイムラインをシンプルに保ちながら、プロフェッショナルなテキストアニメーションを実現できます。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、実際に手を動かし、プレビューで確認しながら試行錯誤を繰り返すことで、その奥深さと便利さを実感できるはずです。この記事が、あなたのAviUtlでの動画制作をさらに豊かなものにする一助となれば幸いです。
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