AviUtlでは字幕テキスト文字のアニメーションを柔軟に作成することが出来ます。初心者や一般家庭向けの動画編集ソフトではテキストアニメーションがあらかじめたくさん用意されていることが多いですが、残念ながらAviUtlの標準機能としてはテキストだけに限定されたアニメーションというのはありません。しかし、高度なエフェクトやアニメーションの作成機能があるため、自分で色々なテキストアニメーションを簡単に作ることが出来ます。このページではAviUtlの標準機能だけで作ることが出来るテキストアニメーションの例と、その作成方法についてご紹介しています。
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フェード系アニメーション
エフェクトの「フェード」を適用してから、フェードインの時間だけを設定することでシンプルなフェードインアニメーションが作成できます。
フェードアウトも同じ要領で「フェード」エフェクトから作成するととても簡単で早いです。シーンチェンジオブジェクトを活用したり、中間点を設けて透明度を直線的にアニメーションさせる方法も考えられますが、どれでやってもフェード効果は作成できます。
フェードイン | フェードアウト |
スライドイン系アニメーション
画面の横からもしくは上下からスライドしてインしてくるよくあるテキストアニメーションです。AviUtlの標準機能だけで充分作成できます。
エフェクトの「アニメーション効果>画面外から登場」を適用します。角度を「0」「90」「-90」「180」と入力すると、上下左右を変化させることが出来ます。
左からイン「-90」 | 右からイン「90」 | 上からイン(0) | 下からイン(180) |
ランダムな方向からイン
エフェクトの「アニメーション効果>画面外から登場」のオプションで「ランダム方向」を有効にすると、ランダムな方向からインしてくるテキストアニメーションを作成できます。さらに「文字毎に個別オブジェクト」の設定にもチェックを入れておくとランダムな方向から文字がインしてくるアニメーション完成します。
さらに「アニメーション効果>ランダム方向から登場」を適用して「回転」の数値を上げると3次元的な回転を伴うテキストアニメーションに変更できます。
画面外から登場 | ランダム間隔で落ちながら登場 | ランダム方向から登場 | どこからともなく登場 |
大きさの変化を使ったテキストアニメーション
大きさが変化する動作を使ってインやアウトのアニメーションを作成することが出来ます。エフェクトの「アニメーション効果>拡大縮小して登場」を適用してパラメータを調整するのが最も簡単な方法かもしれません。「拡大縮小して登場」の「拡大率」パラメータを0にすると小から大、100よりも大きな値にしておくと大から小へとなるテキストアニメーションに変化します。
さらに「サイズ」のプロパティに自分で中間点を作成して大きさが変化するアニメーションを作ることも出来ます。こちらも「文字毎に個別オブジェクト」の設定にもチェックを入れておくかどうかで効果が変わってくるので注意しましょう。
小から大 | 大から小 |
1文字ずつ徐々に出てくるテキストアニメーション
1文字ずつ徐々に表示されてくるアニメーションの場合にはテキストオブジェクトの「表示速度」のプロパティを2とか3として0以外の値に変化させてみるだけで実現できます。表示速度のプロパティは1秒間に何文字ずつ表示するのかというオプションになります。
表示速度の項目を2-3程度にしている状態でさらに「アニメーション効果」から「拡大縮小して登場」や「ランダム方向から登場」等を適用して組み合わせると、1文字ずつ表示される状態を保ちながらフェード効果や大きさの変化を伴ったテキストアニメーションに変化させることが出来ます。1文字ずつ動作させるオプションと組み合わせると、テキストアニメーションのバリエーションの幅一気に広がります。
タイプライター | 1文字ずつ大きさの変化も伴って浮き上がる | 1文字ずつフェード効果で浮き上がってくる | 1文字ずつランダムな方向からイン |
パタパタと3次元的な回転の動きで表示
軸の回転動作を使ってテキストが3次元的に見えるテキストアニメーションです。2次元ではなく3次元的な動作を取り入れたい時にはこういったテキストアニメーションのアイデアもあります。
エフェクトの「アニメーション効果」から「広がって表示」や「起き上がって表示」等を適用すると作成することが出来ます。文字を個別オブジェクトのオプションをONにして、さらに文字を1文字ずつ表示するように表示速度を指定したりすると、表現がさらに複雑になります。
広がって表示 | 起き上がって表示 | 広がって表示 1文字単位 | 起き上がって表示 1文字単位 |
テキストアニメーションにデザインを加える
エフェクトのグローや閃光を利用するとテキストに対して光を使ったデザインを作成していく事が出来ます。凸エッジ等も組み合わせると、疑似的に3Dっぽい見た目に変化させることも可能です。閃光やグローのパラメータにアニメーションを適用すれば、作れるモーショングラフィックスの幅はほぼ無限です。テキストアニメーションとさらにエフェクトや色の指定を組み合わせて、かっこいいタイトルや字幕文字のテキストアニメーションを作成しましょう。GIF画像なのでグラデーションは綺麗に見えませんが、実際の映像ファイル上では綺麗に作りこむことが出来ます。
制御文字で「<#ff0000>テキストをここに入力すると赤色に変化<#>」などと入力することで文字に色を加えることが出来ます。単純に色を使った個性的なデザインも付与することが出来ます。
グロー/閃光/凸エッジでデザイン | 制御文字で文字を1文字ずつ着色 |
AviUtlのテキストアニメーションは編集者次第で無限の可能性
AviUtlでは一般的な家庭向けの動画編集ソフトとは異なり、多種多様なエフェクトやアニメーションを編集者が組み合わせて制御できる仕組みとなっています。モーショングラフィックスを作成するソフトとしても有名なAfterEffectsなどでもおなじみの機能やエフェクトが利用できるため、テキストアニメーションも編集者の技術レベル次第でたくさん生み出すことが出来ます。スクリプト制御も可能な点も考慮すると、出来ることがほぼ無限です。
その反面、動画編集の初心者でモーショングラフィックスなど今まで全く触れたことが無く、さらにスクリプト言語での制御なんて全く分かりませんという方々には、様々なアニメーションをゼロから作成することに戸惑いを感じる方も少なくないかもしれません。
出来ることが多くなるとソフトの使い方が複雑で難しくなり、操作方法を簡単でシンプルにしてしまうと出来ることが少なくなってしまう、という開発側のジレンマも感じますが、勉強して知識と技術を身に着ければそれなりのクオリティの映像は確実に作ることが出来るようになりますので、あきらめずに一緒に頑張りましょう。