結婚式のクライマックスを彩るエンドロールは、新郎新婦からゲストへ感謝の気持ちを伝える大切な演出です。映画のエンディングを思わせるこの映像は、披露宴の余韻を深め、ゲストの心に忘れられない感動を刻みます。
しかし、「どんなメッセージを入れたらいいの?」「構成はどうすれば?」「費用はどれくらいかかる?」といった疑問を抱える方も少なくありません。この記事では、結婚式のエンドロールを成功させるためのあらゆる情報を、プロの視点から徹底的に解説します。
構成のポイントから心温まるメッセージの文例、ゲスト名の正しいマナー、自作とプロ依頼の比較、そして見落としがちな著作権の問題まで、あなたの理想のエンドロールを実現するためのヒントが満載です。この記事を読めば、きっとゲストの記憶に残る最高のエンディングを演出できるでしょう。
結婚式の準備は多岐にわたりますが、エンドロールはゲストへの感謝を直接伝えられる貴重な機会です。ぜひ、この記事を参考に、お二人らしい感動的なエンドロールを作り上げてください。
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エンドロールとは?その役割と重要性
結婚式のエンドロールとは、披露宴の最後に上映される映像演出の一つで、映画のクレジットのように、新郎新婦の名前やゲストの名前、そして感謝のメッセージなどが流れるものです。その主な目的は、遠方から足を運んでくれたゲストや、日頃お世話になっている方々へ、新郎新婦からの心からの感謝を伝えることにあります。
エンドロールは、単なる記録映像ではありません。結婚式全体の雰囲気をまとめ上げ、感動的な余韻を残す「締めくくりの演出」としての役割も果たします。素晴らしいエンドロールは、ゲストの心に深く残り、結婚式全体の印象をより一層素晴らしいものにするでしょう。
エンドロールの種類と特徴:自作?プロ依頼?撮って出し?
エンドロールには、大きく分けて「事前制作型」と「撮って出し型」の2種類があり、それぞれ「自作」または「プロへの依頼」という選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、お二人の希望や予算に合わせて選びましょう。
1. 事前制作型エンドロール
事前に準備した写真や動画、メッセージなどを編集して作成するタイプです。結婚式当日よりも前に完成させるため、時間をかけてじっくりと内容を練り、クオリティを高めることができます。
- 自作の場合:費用を最も抑えられる方法です(0円〜1万円程度)。 パソコンと編集ソフトがあれば作成可能ですが、時間と労力、そしてある程度の編集スキルが必要です。
- プロに依頼する場合:外部の制作会社や式場提携業者に依頼します。クオリティが高く、手間がかからないのがメリットです。費用相場は3万円〜10万円程度です。
2. 撮って出しエンドロール
結婚式当日の挙式から披露宴中盤までの映像を、その場でプロのカメラマンが撮影・編集し、披露宴の最後に上映するタイプです。 当日の感動やゲストの笑顔、涙をリアルタイムで共有できるため、非常に高い臨場感と感動を呼びます。
- プロに依頼する場合:当日の撮影・編集が必要なため、必ずプロに依頼することになります。費用相場は15万円〜30万円と高額ですが、その分、ゲストへのサプライズ感や感動は格別です。
撮って出しエンドロールは、当日の感動をそのままゲストと分かち合える最高の演出ですが、費用は高めです。予算と相談し、どちらのタイプがよりお二人の結婚式に合っているかを検討しましょう。

撮って出しは当日の臨場感が魅力ですが、費用は高めです。事前に写真や動画を集めて作る事前制作型なら、費用を抑えつつこだわりの映像が作れますよ。
感動を呼ぶエンドロールの構成要素と流れ
エンドロールは、単に名前を羅列するだけでなく、ストーリー性を持たせることでより感動的なものになります。一般的な構成要素と、ゲストを飽きさせないためのポイントを押さえましょう。
基本的な構成と適切な長さ・文字数
エンドロールの基本的な構成は、以下の3つのパートで成り立っています。
- オープニングメッセージ:新郎新婦からの最初の挨拶や、結婚式への感謝の言葉。
- ゲスト紹介&メッセージ:ゲスト一人ひとりの名前と、感謝のメッセージや写真。
- 締めの挨拶:新郎新婦からの最後の感謝の言葉と、今後の抱負など。
エンドロールの適切な長さは、一般的に3分〜5分程度が理想とされています。これは、BGM1曲分に相当する長さで、ゲストが飽きずに集中して見られる時間です。 長すぎるとゲストが飽きてしまい、短すぎると感謝の気持ちが伝わりにくくなるため、この目安を意識しましょう。
メッセージの文字数は、1〜2行程度にまとめるのが最適です。 画面の横幅の半分程度で改行すると、映像と文字の両方が見やすくなります。文字が多すぎると、ゲストは文字を追うのに忙しくなり、せっかくの映像を見てもらえない可能性があります。
映像とテキスト、そして音楽との調和
エンドロールの魅力を最大限に引き出すには、映像、テキスト、音楽のバランスが重要です。
- 映像とテキストのバランス:映像がメインになりすぎるとテキストが読みにくくなり、逆にテキストが多すぎると映像の魅力が半減します。文字のフォントや色、サイズも、会場のスクリーンで読みやすいものを選びましょう。特に自作の場合は、パソコン画面で「少し大きいかな」と思うくらいがちょうど良いことが多いです。
- 音楽との調和:エンドロールに使用する音楽は、結婚式全体の雰囲気に合わせて選びましょう。感動的なシーンにはゆったりとした曲、楽しいシーンには明るい曲を選ぶと良いでしょう。 音楽と映像、テキストが調和することで、より一層感動的なエンドロールが完成します。
音楽を選ぶ際は、著作権に注意が必要です。市販の楽曲をムービーに使用する場合は、ISUM(一般社団法人 音楽特定利用促進機構)を通じて許諾を得る必要があります。 無断使用は法律違反となるため、必ず確認しましょう。

エンドロールの音楽は、感動を左右する重要な要素です。著作権処理を忘れずに行い、安心して上映できる曲を選びましょう。


ゲストへの感謝を伝えるメッセージ作成術
エンドロールのメッセージは、ゲストへの感謝の気持ちを伝える最も重要な要素です。心に響くメッセージを作成するためのポイントと文例をご紹介します。
心に響くメッセージのポイント
メッセージは、簡潔でありながらも心に響くものが理想です。 以下の点を意識して作成しましょう。
- 具体性:「ありがとう」だけでなく、何に対して感謝しているのかを具体的に伝えることで、より気持ちが伝わります。例えば、遠方から来てくれたこと、余興をしてくれたこと、日頃のサポートなど。
- 未来志向:結婚式という一日だけでなく、これからの二人の人生を見守ってほしいというメッセージを加えることで、ゲストとの絆を深めることができます。
- 新郎新婦らしさ:フォーマルな場ではありますが、お二人らしい言葉遣いや表現を取り入れることで、よりパーソナルなメッセージになります。
冒頭・締めの挨拶文例集
エンドロールの冒頭と締めくくりは、全体の印象を決定づける大切な部分です。状況に合わせて使い分けられる文例を参考にしてください。
フォーマルな文例
会社の上司や親族など、幅広いゲストに失礼なく感謝を伝えたい場合に適しています。
【冒頭】
本日はご多忙の中、私達の結婚披露宴にご列席賜り、誠にありがとうございます。
皆様のおかげで、この素晴らしい一日を迎えることができました。
【締め】
未熟な二人ではございますが、これからも力を合わせ、温かい家庭を築いていきたいと思います。
今後とも末永くご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
カジュアルな文例
友人中心のパーティーや、アットホームな雰囲気の結婚式にぴったりです。
【冒頭】
今日は来てくれて本当にありがとう!
みんなのおかげで、最高の1日になりました!
【締め】
これからも二人で力を合わせて、楽しい毎日を過ごしていきます。
また近いうちに会おうね!これからもどうぞよろしく!

メッセージは短くても、心からの感謝が伝わるように工夫しましょう。具体的なエピソードを盛り込むと、より感動的になりますよ。
ゲスト別メッセージのヒント
ゲスト一人ひとりへのメッセージは、より深い感動を呼びます。全員に個別のメッセージを入れるのが難しい場合は、グループごとのメッセージでも十分気持ちは伝わります。
- 家族へ:「愛情いっぱいに育ててくれてありがとう」「いつも支えてくれて感謝しています」など、具体的なエピソードを交えるとより感動的です。
- 友人へ:「遠方から来てくれてありがとう」「余興最高だったよ!」「いつも相談に乗ってくれて感謝しています」など、関係性に応じた言葉を。
- 職場関係者へ:「ご多忙の中、ご列席いただきありがとうございます」「日頃のご指導に感謝いたします」など、敬意を込めた言葉を。
- 恩師へ:「ご指導のおかげで今日があります」「温かく見守ってくださりありがとうございます」など、感謝の気持ちを伝えます。
避けるべき「忌み言葉」とマナー
結婚式というお祝いの場では、不吉なことを連想させる「忌み言葉」や「重ね言葉」は避けるのがマナーです。
- 忌み言葉の例:「別れる」「切れる」「終わる」「破れる」「冷める」「忙しい」「返す」「流れる」「枯れる」など。
- 重ね言葉の例:「重ね重ね」「度々」「いよいよ」「くれぐれも」「次々」など。
これらの言葉は、意図せず使ってしまうこともあるため、メッセージ作成後は必ずチェックリストを使って確認しましょう。
ゲスト名の表示マナーと並び順のルール
エンドロールにゲストの名前を掲載する際は、失礼のないよう正しいマナーと並び順を理解しておくことが大切です。
敬称の基本ルール
ゲスト名の後に付ける敬称は、基本的に「様」を使用します。 しかし、一部例外がありますので注意しましょう。
- 両親:敬称はつけません。両親はゲストをもてなす「ホスト側」と考えるためです。
- 未婚の兄弟姉妹:敬称はつけません。
- 既婚の兄弟姉妹:「様」をつけます。姓が異なる場合は特に注意しましょう。
- 子供(小学生以下):「くん」「ちゃん」でも問題ありません。
- 恩師:「先生」または「様」のどちらでも構いません。
もし敬称に迷ったら、基本的には「様」をつけておけば大きな間違いはありません。ただし、両親にはつけないことを徹底しましょう。

敬称は、ゲストへの感謝と敬意を示す大切な要素です。特に両親には敬称をつけないのが一般的ですが、不安な場合はプランナーさんに確認しましょう。
ゲスト名の並び順
ゲスト名の並び順には明確な決まりはありませんが、一般的には以下のようなパターンが用いられます。
- 目上の方から順に:
- 主賓 → 職場関係(取引先→上司→先輩→同僚→後輩) → 友人関係(付き合いの古い順、または年齢順) → 親族 → 家族(両親、兄弟姉妹)
- 新郎側ゲストを先に流し、その後に新婦側ゲストを流すのが一般的です。
- テーブルごと:披露宴の席次と同じように、テーブルごとにまとめて表示する方法です。ゲストにとっても分かりやすいでしょう。
- 五十音順:友人など、関係性に序列がない場合に、五十音順で表示する方法です。カジュアルな結婚式におすすめです。
どの順番を選ぶにしても、一貫性を持たせることが大切です。また、ゲストが多い場合は、グループごとにまとめてメッセージを添えるのも良いでしょう。
「Special Thanks」でスタッフへ感謝を伝える
結婚式を支えてくれたウェディングプランナーや司会者、ヘアメイク、カメラマンなどのスタッフに「Special Thanks」として感謝のメッセージを添える演出も人気です。 感謝の気持ちが伝わり、より温かいエンドロールになります。
エンドロール作成の実践ガイド:自作 vs プロ依頼
エンドロールの作成方法は、自作かプロへの依頼かで大きく異なります。それぞれのステップと注意点を解説します。
自作で挑戦する場合
費用を抑えたい、自分たちらしさを追求したいという方には自作がおすすめです。
必要なものと準備
- パソコン:動画編集作業には必須です。
- 編集ソフト:初心者には「iMovie」(Mac)や「Movie Maker」(Windows)がおすすめです。 より高度な編集をしたい場合は、Adobe Premiere Proなどの有料ソフトも検討しましょう。
- 写真・動画素材:新郎新婦の生い立ち、二人の思い出、ゲストとの写真など。エンドロールの長さにもよりますが、20〜30枚程度を目安に集めると良いでしょう。 ゲストとの思い出の写真は、新郎新婦と一緒に写っているものを選ぶと、より喜ばれます。
作成手順とポイント
- 構成の決定:前述の「基本的な構成」を参考に、どのような流れにするかを決めます。
- 素材の選定と整理:使用する写真や動画を選び、時系列やテーマごとに整理します。
- メッセージの作成:冒頭、ゲスト別、締めのメッセージを作成します。誤字脱字がないか、忌み言葉を使っていないか、複数人で確認しましょう。
- BGMの選定と著作権処理:エンドロールの雰囲気に合ったBGMを選びます。最も重要なのが著作権処理です。市販の楽曲をムービーに組み込む場合は、ISUM(一般社団法人 音楽特定利用促進機構)を通じて許諾を得る必要があります。 これを怠ると、法律違反となるだけでなく、会場で上映を断られる可能性もあります。
- 編集作業:選んだ素材とメッセージ、BGMをソフトで編集します。写真の表示時間、テキストの表示タイミング、BGMとのシンクロなどを調整し、見やすいテンポを心がけましょう。
- 最終チェックとリハーサル:完成したら、必ず会場のスクリーンで上映できるか、文字が読めるか、音量や映像の乱れがないかなどを確認しましょう。
自作エンドロールは、時間と労力がかかります。結婚式準備と並行して行うため、余裕を持ったスケジュールを組み、早めに着手することが成功の鍵です。

音楽の著作権は非常に重要です。ISUMのウェブサイトで利用可能な楽曲を検索し、必ず正規の手続きを行いましょう。

プロに依頼する場合
クオリティの高い映像を求める方や、結婚式準備で忙しい方にはプロへの依頼がおすすめです。
依頼先の選び方
- 式場提携業者:会場の設備や雰囲気を熟知しており、連携がスムーズです。ただし、費用が高めになる傾向があります。
- 外部の動画制作会社:費用を抑えられる場合が多く、デザインや演出の選択肢も豊富です。 ただし、自分たちで業者を探す手間がかかり、式場によっては「持ち込み料」が発生する場合があるので、事前に確認が必要です。
費用相場と内訳
費用は、エンドロールの種類(事前制作か撮って出しか)や依頼先によって大きく異なります。
種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
事前制作型(プロ依頼) | 3万円〜10万円 | 事前に写真や動画を提出し、プロが編集。 |
撮って出し型(プロ依頼) | 15万円〜30万円 | 結婚式当日の映像をその場で編集・上映。 |
費用には、制作費の他に、使用する楽曲の著作権料や、オプション(DVD/Blu-ray納品、修正回数など)が含まれる場合があります。
プロに希望を具体的に伝えるコツ
理想のエンドロールを実現するためには、プロに明確なイメージを伝えることが重要です。
- 参考映像を用意する:「こんな雰囲気にしたい」「この曲を使いたい」など、具体的な参考映像やイメージを共有しましょう。
- 希望する構成やメッセージを伝える:ゲストの名前の並び順や、入れたいメッセージの内容などを事前にリストアップしておくとスムーズです。
- 写真・動画素材を厳選する:プロに任せるからといって丸投げせず、使ってほしい写真や動画は厳選して渡しましょう。
共通の注意点
- 誤字脱字の徹底チェック:ゲストの名前やメッセージの誤字脱字は、失礼にあたるだけでなく、せっかくの感動を台無しにしてしまいます。複数人で何度も確認しましょう。
- 上映環境の確認:会場のスクリーンサイズや音響設備、映像のフォーマットなどを事前に確認し、問題なく上映できるかテストを行いましょう。
- 著作権の遵守:BGMだけでなく、使用する写真や動画にも著作権や肖像権が発生する場合があります。特にインターネットからダウンロードした素材の使用は避けましょう。
成功事例とよくある質問(FAQ)
最後に、感動的なエンドロールの成功事例と、よくある質問にお答えします。
感動的なエンドロールの共通点
ゲストの心に深く残る