AviUtlで動画編集を行う際、字幕やテロップのフォントは動画の印象を大きく左右する重要な要素です。フォントはAviUtlに直接依存するものではなく、Windows OSにインストールされているフォントを利用するため、お好みのフォントを自由に追加・変更して動画編集に活用できます。
このページでは、AviUtlでのフォントの変更方法から、新しいフォントの追加手順、さらには動画表現を豊かにするフォント選びのコツ、よくあるトラブルの対処法、そしてプロが実践する文字装飾テクニックまで、動画クリエイターの視点から徹底的に解説します。あなたの動画表現をさらに豊かにするためのヒントが満載です。
AviUtlでフォントを変更する基本手順
まずは、AviUtlで既存のテキストオブジェクトのフォントを変更する基本的な手順から見ていきましょう。この手順をマスターすれば、動画の雰囲気に合わせて手軽にフォントを切り替えられるようになります。
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テキストオブジェクトの挿入
動画にテキストを挿入するには、まずタイムラインにテキストオブジェクトを追加します。タイムライン内の空白部分(テキストを挿入したい箇所)を右クリックし、「メディアオブジェクトの追加」から「テキスト」を選択してください。これにより、タイムラインに新しいテキストオブジェクトが追加されます。
文字の入力とフォントの選択
テキストオブジェクトが追加されると、設定ダイアログが表示されます。このダイアログ内のテキスト入力ボックスに、動画に表示したい文字を入力しましょう。入力した文字は、プレビュー画面にリアルタイムで反映されます。
フォントを変更するには、設定ダイアログの左下にあるドロップダウンメニューをクリックします。ここに表示されるのは、お使いのWindowsにインストールされているすべてのフォントです。お好みのフォントを選択することで、テキストの字体が即座に変わります。
フォントの選択肢は、動画のジャンルや雰囲気に合わせて慎重に選びましょう。例えば、可愛らしい動画には手書き風フォント、ビジネス系の動画には読みやすいゴシック体など、フォント一つで動画の印象は大きく変わります。

フォントは動画の「声」のようなもの。視聴者に伝えたいメッセージや動画のコンセプトに合ったフォントを選ぶことが、プロの動画クリエイターへの第一歩です。
動画表現を豊かにする!フォントの選び方と活用術
フォントは単なる文字の形ではありません。動画のメッセージを伝え、視聴者の感情に訴えかける強力なツールです。ここでは、フォント選びのポイントと、AviUtlでの基本的な活用術をご紹介します。
動画のテーマに合わせたフォント選び
動画のテーマやターゲット層に合わせてフォントを選ぶことが、視聴者の心に響く動画を作る第一歩です。
- 可愛らしい・ポップな動画:丸みを帯びた手書き風フォントや、太めのポップなフォントが適しています。
- クール・スタイリッシュな動画:細身のゴシック体や、セリフ(明朝体)でもモダンなデザインのものがおすすめです。
- 真面目・情報系の動画:可読性を重視し、癖のないゴシック体や明朝体を選びましょう。
- 和風・歴史系の動画:毛筆体や、筆文字風のフォントが雰囲気を高めます。
- インパクト重視の動画:太く力強いフォントや、デザイン性の高いユニークなフォントが効果的です。
フォント選びに迷ったら、まずは動画のコンセプトを明確にし、それに合うフォントをいくつか試してみましょう。複数のフォントを組み合わせる場合は、全体の統一感を意識することが大切です。
可読性を高めるフォントのポイント
どんなにデザイン性の高いフォントでも、読みにくければ意味がありません。特に動画では、一瞬で情報を伝える必要があるため、可読性は非常に重要です。
- 文字の太さ:背景とのコントラストがはっきりする、適度な太さのフォントを選びましょう。
- 文字間・行間:詰まりすぎず、広すぎない適切な間隔を設定することで、視認性が向上します。AviUtlのテキストオブジェクトでは、字間や行間を調整する機能も利用できます。
- 縁取り・影:背景に文字が埋もれてしまう場合は、縁取りや影を付けることで文字が際立ち、読みやすくなります。

フォントの可読性は、動画の視聴体験に直結します。特に動きのある映像では、文字が流れてしまうこともあるので、読みやすさを最優先に考えましょう。背景色と文字色が同化していないか、常にプレビューで確認する癖をつけましょう。
商用利用可能なフォントの見つけ方とライセンスの確認
フリーフォントには、個人利用のみ可能なもの、商用利用も可能なもの、クレジット表記が必要なものなど、様々なライセンスがあります。動画を公開したり、収益化したりする場合は、必ず「商用利用可能」なフォントを選び、ライセンス条項をしっかりと確認しましょう。
ダウンロードしたフォントファイルに同梱されている「LICENSE」や「README」といったテキストファイルには、利用規約が記載されています。必ず目を通し、不明な点があれば配布元に問い合わせるようにしましょう。後々のトラブルを避けるためにも、ライセンスの確認は非常に重要です。
商用利用可能な日本語フリーフォントは多数存在します。例えば、以下のようなサイトで探すことができます。
- Google Fonts:世界中の高品質なフォントが多数公開されており、商用利用可能なものも多いです。
- FONT FREE:日本語フリーフォントに特化したサイトで、カテゴリ分けも豊富です。
- DaFont:海外のフォントサイトですが、ユニークなデザインのフォントが豊富です。
- BOOTH:個人クリエイターが制作した個性的なフォントも多数配布されています。
- PhotoshopVIP:商用利用可能な日本語フリーフォントをまとめた記事が豊富です。
- いいフォント:商用利用可能な日本語フリーフォントを多数紹介しています。
元記事で紹介されている「ふい字フォント」も、手書き風の可愛らしいフォントとして人気があります。
AviUtlに新しいフォントを追加する方法(Windowsへのインストール)
AviUtlで利用できるフォントは、Windowsにインストールされているフォントに依存します。そのため、AviUtlのドロップダウンメニューに好みのフォントがない場合は、Windowsにフォントファイルをインストールすることで、新たに追加できます。
フォントファイルの解凍とインストール手順
ダウンロードしたフォントファイルは、多くの場合ZIP形式などで圧縮されています。まずは解凍ソフトを使ってファイルを展開し、中身を抽出しましょう。フォントファイルは通常、「.ttf」(TrueTypeフォント)や「.otf」(OpenTypeフォント)といった拡張子を持っています。
フォントのインストール方法はいくつかありますが、最も簡単な方法をご紹介します。
- フォントファイルをダブルクリック:ダウンロードしたフォントファイル(.ttfまたは.otf)をダブルクリックすると、フォントのプレビュー画面が表示されます。
- 「インストール」をクリック:プレビュー画面の上部にある「インストール」ボタンをクリックします。
これでフォントのインストールは完了です。
複数のフォントをまとめてインストールしたい場合は、フォントファイルを複数選択し、右クリックメニューから「すべてのユーザーに対してインストール」を選択するか、Windowsの「設定」→「個人用設定」→「フォント」の画面にドラッグ&ドロップすることで一括インストールが可能です。
AviUtlでのフォント認識:再起動の重要性
フォントを新しくインストールした場合、AviUtlがそのフォントを認識するためには、一度AviUtlを再起動する必要があります。
これはAviUtlに限らず、多くのソフトウェアが起動時にシステムにインストールされているフォントを読み込むためです。再起動後、AviUtlのテキストオブジェクトの設定ダイアログを開き、ドロップダウンメニューに新しいフォントが表示されているか確認しましょう。

一度Windowsにインストールしたフォントは、AviUtlだけでなく、WordやExcel、Photoshopなどの他のソフトウェアでも利用できるようになります。何度もインストールし直す必要はありませんのでご安心ください。
【トラブルシューティング】フォントがAviUtlに表示されない時の対処法
フォントをインストールしたのにAviUtlに表示されない、または正しく適用されないといったトラブルが発生することがあります。ここでは、よくある原因と対処法をご紹介します。
1. AviUtlの再起動
最も一般的な原因は、フォントインストール後にAviUtlを再起動していないことです。フォントをインストールしたら、必ずAviUtlを一度終了し、再度起動し直してください。
2. フォントファイルの破損または不完全なインストール
ダウンロードしたフォントファイルが破損している、またはインストールが途中で中断された場合、正しく認識されないことがあります。別のフォントを試してみるか、同じフォントを再度ダウンロードしてインストールし直してみてください。
3. システムへの正しいインストール確認
フォントがWindowsに正しくインストールされているか確認しましょう。
- Windowsの検索バーに「フォント」と入力し、「フォント設定」を開きます。
- インストールしたフォントが一覧に表示されているか確認します。
- 表示されていない場合は、再度インストール手順を確認してください。
4. 特定のフォントで発生する問題
ごく稀に、特定のフォントがAviUtlと相性が悪く、表示されない、文字化けする、AviUtlがクラッシュするといった問題が発生することがあります。
もし特定のフォントで問題が頻発する場合は、そのフォントの使用を避け、別の類似フォントを探すのが賢明です。また、フォント名が長すぎることが原因で不具合が発生するケースも報告されています。
5. AviUtl専用のフォント読み込みプラグインの利用
PCにフォントをインストールせず、AviUtlでのみ一時的にフォントを利用したい場合は、「追加フォント読み込みプラグイン」のようなAviUtl専用のプラグインを導入する方法もあります。これにより、PCのフォントフォルダを肥大化させることなく、必要なフォントをAviUtlで利用できます。
例えば、namariさんの「追加フォント読み込みプラグイン fonts.aul」や、sigma-axisさんの「aviutl_localfont2」などが有名です。これらのプラグインは、AviUtlの実行ファイルと同じフォルダ、またはPluginsフォルダ内に専用のFontsフォルダを作成し、そこにフォントファイルを置くだけで利用できるようになります。

頻繁に新しいフォントを試したい方や、PCのシステムフォントを増やしたくない方には、このプラグインの活用が非常におすすめです。プロジェクトごとに必要なフォントを管理できるため、作業効率も向上します。
フォントをさらに活用!AviUtlでの文字装飾テクニック
AviUtlの標準機能だけでも、フォントに様々な装飾を施し、表現の幅を広げることができます。
縁取り、影、グラデーションの適用
テキストオブジェクトの設定ダイアログでは、フォントの変更だけでなく、文字の色、縁取り、影、グラデーションなどの設定が可能です。
機能 | 説明 | 活用例 |
---|---|---|
文字色 | テキスト自体の色を変更します。 | 動画のテーマカラーに合わせる、強調したい文字の色を変える。 |
縁取り | 文字の輪郭に色を付けます。 | 背景に文字が埋もれるのを防ぎ、視認性を高める。ポップな印象を与える。 |
影 | 文字の背後に影を付けます。 | 文字に立体感を与え、背景から浮き上がらせる。 |
グラデーション | 文字色を複数の色で段階的に変化させます。 | デザイン性を高め、動きのある表現に。 |
文字間隔、行間隔の調整
テキストオブジェクトの設定ダイアログには、文字間隔(字間)や行間隔を調整する項目もあります。これらの設定を調整することで、文字の詰まり具合や行のバランスを最適化し、より読みやすいテキストを作成できます。
アニメーション効果との組み合わせ
AviUtlの強みは、様々なアニメーション効果をテキストに適用できる点です。フェードイン・アウト、拡大・縮小、回転、スクロールなど、フォントとアニメーションを組み合わせることで、単なる文字以上の表現が可能になります。
例えば、結婚式の感動的なエンドロールでは、フォントの選び方だけでなく、文字がゆっくりとフェードインしたり、流れるようにスクロールしたりするアニメーション効果を加えることで、より心に残る映像を演出できます。
さらに高度なテキスト表現を目指すなら、AviUtlの「制御文字」を活用するのもおすすめです。制御文字を使えば、1文字単位でフォントサイズ、種類、色、表示速度などを細かく制御でき、プロ級のテキストアニメーションを実現できます。



不要なフォントの削除方法(Windows)
インストールしたフォントが不要になった場合は、Windowsから削除することができます。これにより、システムのパフォーマンス維持や、フォントリストの整理に役立ちます。
- Windowsの検索バーに「フォント」と入力し、「フォント設定」を開きます。
- 削除したいフォントを検索または一覧から見つけます。
- フォントをクリックし、詳細画面で「削除」ボタンをクリックします。
システムに標準でインストールされているフォントは、削除しない方が良いでしょう。誤って削除すると、Windowsや他のアプリケーションの表示に問題が生じる可能性があります。
まとめ:フォントで差をつける動画編集
AviUtlでの動画編集において、フォントは単なる文字情報以上の価値を持ちます。適切なフォントを選び、効果的に活用することで、動画のクオリティを飛躍的に向上させ、視聴者に強い印象を与えることができます。
このガイドで紹介したフォントの追加・変更方法、選び方のコツ、そしてトラブルシューティングを参考に、ぜひ様々なフォントを試して、あなたの動画表現の幅を広げてください。フォント一つで、動画の雰囲気やメッセージの伝わり方は大きく変わります。あなたのクリエイティブなアイデアを、フォントの力で最大限に引き出しましょう。
動画編集のスキルアップには、フォントだけでなく、テキストアニメーションやデザインの知識も不可欠です。以下の関連記事も参考に、さらに表現の幅を広げていきましょう。


