AviUtlは、Windows環境で利用できる無料の動画編集ソフトウェアです。かつてMicrosoftが提供していたムービーメーカーが公式サポートを終了した現在、無料で高機能な動画編集を始めたい方にとって、AviUtlは非常に貴重な選択肢となっています。
しかし、その導入には少し特殊な手順が必要です。一般的な動画編集ソフトのようにインストーラーを実行するだけでは完結せず、ファイルの解凍や、MP4などの一般的な動画形式を読み込むための「プラグイン」の導入が必須となります。この複雑さが、AviUtlの導入をためらう要因となっているかもしれません。
本記事では、AviUtlのダウンロードから、動画編集を始めるために不可欠なプラグインの導入、そして初期設定までを、初心者の方でも迷わないよう、最新情報に基づいて徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたもAviUtlを使って動画編集をスムーズに始められるようになるでしょう。
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AviUtlを使う準備
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AviUtlとは?無料なのにプロ級!その魅力と特徴
AviUtlは、KENくん氏によって個人で開発された、非常に軽量で拡張性の高い動画編集ソフトウェアです。その最大の魅力は、無料で利用できるにも関わらず、プロレベルの編集も可能なほどの豊富な機能と、ユーザーが自由に機能を追加できる「プラグイン」による高い拡張性にあります。特に、最新のWindows 11環境でも問題なく動作することが確認されており、幅広いユーザーに支持されています。
AviUtlの主な特徴
- 完全無料: 費用をかけずに本格的な動画編集を始められます。編集した動画に透かしやロゴが入ることもありません。
- 軽量動作: 比較的低スペックなPCでも動作しやすく、快適な編集が可能です。
- 高い拡張性: 豊富なプラグインを導入することで、MP4の読み込み、高度なエフェクト、エンコードなど、様々な機能を追加・強化できます。
- 豊富な情報: 長年の歴史があり、インターネット上には多くの解説サイトやチュートリアル動画が存在します。
- Windows 11対応: 最新のWindows 11環境でも問題なく動作します。
こんな方におすすめ
- 動画編集を無料で始めたい初心者の方
- PCのスペックに自信がないけれど動画編集をしたい方
- 自分好みにカスタマイズして動画編集を楽しみたい方
- YouTubeやSNS向けの動画を作成したい方
- 「ゆっくり動画」など、特定のジャンルの動画を作成したい方
AviUtlは、その導入のハードルを乗り越えれば、あなたの動画編集ライフを大きく広げてくれる可能性を秘めています。特に、無料でありながらここまで多機能なソフトは他に類を見ません。
AviUtl導入の準備:PC環境と注意点
AviUtlをダウンロードする前に、お使いのPC環境が動作要件を満たしているか、いくつか確認しておきましょう。
動作環境
- OS: Windows Vista / 7 / 8 / 8.1 / 10 / 11 (32bit/64bit)
- CPU: 動作は可能ですが、快適な編集にはIntel Core i5以上、または同等のAMD Ryzenプロセッサを推奨します。
- メモリ: 4GB以上(8GB以上推奨)。高画質動画や複雑なエフェクトを使用する場合は、16GB以上あるとより快適です。
- ストレージ: 編集する動画の容量に応じた十分な空き容量。SSDへのインストールを推奨します。
AviUtl本体は非常に軽量ですが、高画質な動画を編集したり、多くのエフェクトを使用したりする場合は、ある程度のPCスペックが必要になります。特にメモリは動画編集の快適さに直結するため、可能であれば8GB以上を推奨します。
ダウンロード前の確認事項
AviUtlはインストーラー形式ではないため、既存の環境に影響を与えることは少ないですが、以下の点に注意してください。
- 管理者権限: ファイルの解凍や配置には、管理者権限が必要です。
- セキュリティソフト: ダウンロードや解凍時にセキュリティソフトが反応する場合がありますが、基本的には問題ありません。心配な場合は一時的に無効にするか、例外設定を行ってください。
- 保存場所: 誤って削除してしまわないよう、WindowsのCドライブ直下や「Program Files (x86)」フォルダ内など、分かりやすく管理しやすい場所に移動しておくことをお勧めします。
【最新・推奨】AviUtl Package Manager (APM) で簡単導入!
AviUtlの導入は、本体と複数のプラグインを個別にダウンロード・配置する必要があり、初心者には複雑に感じられることがありました。しかし、近年登場した「AviUtl Package Manager (APM)」を利用すれば、これらの作業を大幅に簡素化できます。APMは、AviUtl本体と主要なプラグイン、スクリプトを一括で管理・インストールできる便利なツールです。
APMとは?そのメリット
- 一括インストール: AviUtl本体、拡張編集、L-SMASH Works、x264guiExなど、動画編集に必要な最低限のプラグインをまとめてインストールできます。
- 簡単操作: 直感的なGUIで、ダウンロードから配置までを自動で行ってくれます。
- 更新管理: 導入済みのプラグインやスクリプトの更新も通知し、簡単にアップデートできます。
- エラー軽減: 手動でのファイル配置ミスによるトラブルを減らせます。
APMを使った導入手順
- APMのダウンロード: APMの公式サイトまたはGitHubのリリースページから、最新版のAPMをダウンロードします。
- APMの起動: ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックして起動します。セキュリティ警告が表示される場合がありますが、「詳細情報」→「実行」を選択して進めます。
- インストール先の指定: AviUtlをインストールしたいフォルダを指定します。
- 一括インストール: APMの画面で「おすすめ一括インストール」などのオプションを選択し、指示に従って進めます。これにより、AviUtl本体と必須プラグインが自動的にインストールされます。

APMを使えば、AviUtlの導入が格段に楽になります!特に初心者の方には強くおすすめします。手動導入でつまずく心配が減りますよ。
【手動導入】AviUtl本体と必須プラグインのダウンロード・インストール
APMを使わない場合や、特定のバージョンを導入したい場合は、手動でのダウンロードとインストールが必要です。ここでは、その詳細な手順を解説します。
ステップ1:AviUtl本体のダウンロード
まずはAviUtl本体をダウンロードしましょう。AviUtlはKENくん氏によって個人で開発されたソフトウェアであり、公式サイトから直接ダウンロードするのが最も安全です。
公式サイトへのアクセス方法
AviUtlの公式サイトは以下のURLです。
http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
このURLをクリックして、公式サイト「AviUtlのお部屋」にアクセスしてください。

公式サイトのURLはブックマークしておくと、今後プラグインを探す際などにも便利ですよ。
最新版の選び方とダウンロード手順
公式サイトにアクセスすると、「ダウンロード」の項目内に複数のAviUtlのバージョンが表示されています。通常、一番上に表示されているものが最新バージョンとなりますので、そちらをダウンロードしましょう。
(※サイトのデザインや構成はアップデートによって変更されている可能性があります。画像は2019年時点のものです。)
ダウンロードリンクをクリックすると、zip形式で圧縮されたファイルがダウンロードされます。このファイルを任意の場所に保存してください。
ステップ2:AviUtl本体の解凍と配置
ダウンロードしたAviUtlのファイルはzip形式で圧縮されています。この圧縮ファイルを解凍し、適切な場所に配置することが重要です。
zipファイルの解凍方法(Windows標準機能)
ダウンロードしたzipファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択します。展開先を指定するダイアログが表示されるので、任意の場所(例:デスクトップやドキュメントフォルダなど)を選択して「展開」をクリックします。

zipファイルを解凍せずにフォルダの中を参照することはできますが、AviUtlが正常に動作しない可能性があります。必ず解凍を行ってから利用するようにしましょう。
推奨される保存場所と注意点
解凍したAviUtlのフォルダは、誤って削除してしまわないよう、WindowsのCドライブ直下や「Program Files (x86)」フォルダ内など、分かりやすく管理しやすい場所に移動しておくことをお勧めします。
フォルダ名を変更すると、後から導入するプラグインのパス設定などで問題が発生する可能性があります。特にこだわりがなければ、解凍されたフォルダ名をそのまま使用することをお勧めします。ただし、APMで導入した場合はフォルダ名を変更しても問題ない場合があります。
ステップ3:必須プラグインの導入
AviUtl本体だけでは、MP4やMOVといった一般的な動画ファイルを直接読み込んだり、MP4形式で出力したりすることができません。これらの形式を扱うためには「プラグイン」と呼ばれる追加ファイルを導入する必要があります。特に「拡張編集Plugin」「L-SMASH Works」「x264guiEx」は、ほぼ必須と言えるプラグインです。
拡張編集Pluginの導入
拡張編集Pluginは、AviUtlでタイムライン形式の動画編集を行うための必須プラグインです。これがないと、テキストの挿入やエフェクトの適用など、高度な編集ができません。
- ダウンロード: AviUtl本体と同じ公式サイト「AviUtlのお部屋」から、「拡張編集Plugin」の最新版(通常は「exedit92.zip」)をダウンロードします。テスト版(exedit93rc1.zipなど)はバグが多い可能性があるため、安定版を選びましょう。
- ファイルの解凍と配置: ダウンロードしたzipファイルを解凍し、中身のファイルをすべてAviUtl本体が保存されているフォルダ(
aviutl.exe
がある場所)に直接コピー&ペーストします。
L-SMASH WorksでMP4/MOVを読み込む
L-SMASH Worksは、AviUtlでMP4やMOVなどの動画ファイルを読み込むために最も広く利用されている入力プラグインです。
- L-SMASH Worksのダウンロード: 以下のGitHubリポジトリ(Mr-Ojii版が推奨されています)から最新版のL-SMASH Worksをダウンロードします。通常は「L-SMASH-Works_rXXX_Mr-Ojii_vimeo.zip」のようなリンクからダウンロードできます。
- ファイルの解凍: ダウンロードしたzipファイルを解凍します。解凍すると、いくつかのファイル(
LSMASHWorks.aui
、LSMASHWorks.auf
、LSMASHWorks.aul
など)が含まれています。 - AviUtlフォルダへの配置: 解凍したL-SMASH Worksのファイルの中から、特に重要な
lwinput.aui
、lwdumper.auf
、lwcolor.auc
、lwmuxer.auf
といったファイルを、AviUtl本体が保存されているフォルダ、またはAviUtlフォルダ内に新しく作成した「plugins
」フォルダにコピー&ペーストします。「plugins」フォルダは、AviUtl本体フォルダ内に手動で作成する必要があります。フォルダ名のスペルミス(PluginではなくPlugins)に注意しましょう。

プラグインはAviUtlの機能を拡張する鍵です。特にL-SMASH Worksは、MP4動画を扱う上で絶対に欠かせないので、忘れずに導入しましょう。
x264guiExでMP4を出力する
AviUtlは初期状態ではAVI形式でしか動画を出力できません。MP4形式で高画質・高圧縮に動画を出力するためには、x264guiExのような出力プラグインが必要です。
- x264guiExのダウンロード: x264guiExの配布サイトから最新版をダウンロードします。
- ファイルの解凍と配置: ダウンロードしたzipファイルを解凍し、中身のファイル(
x264guiEx.auo
、auo_setup.auf
など)をすべてAviUtl本体が保存されているフォルダに直接コピー&ペーストします。
その他の推奨プラグイン
AviUtlをより便利に、安定して使うためには、他にもいくつかのプラグイン導入が推奨されます。
- patch.aul: AviUtlのバグ修正、高速化、機能追加を行うプラグインです。
- InputPipePlugin: メモリ使用量を削減し、メモリ不足によるエラーを回避するプラグインです。特に長い動画や高解像度動画を扱う際に効果を発揮します。
- Visual C++ 再頒布可能パッケージ: 多くのプラグインが動作するために必要なコンポーネントです。Windows OSにインストールします。
これらのプラグインの導入方法も、基本的にはL-SMASH Worksと同様に、AviUtl本体フォルダや「plugins」フォルダにファイルを配置する形になります。各プラグインの配布サイトで詳細な導入手順を確認しましょう。

AviUtlの初期設定と快適化のヒント
AviUtlのダウンロードとプラグイン導入が完了したら、実際に動画編集を始める前に、いくつか確認しておきたい初期設定や、よくあるトラブルとその対処法を知っておきましょう。
ステップ4:AviUtlの起動と初期画面の確認
解凍したフォルダの中に含まれている「aviutl.exe」ファイルをダブルクリックすると、それだけでAviUtlが起動します。一般的な動画編集ソフトのようにインストール画面が表示されることはありません。

AviUtlは「インストール不要」なポータブルソフトです。exeファイルを起動するだけで使える手軽さが魅力の一つですね。
初回起動時には、いくつかのウィンドウ(メインウィンドウ、拡張編集ウィンドウなど)が表示されます。これらが正常に表示されていれば、AviUtl本体の起動は成功です。
ステップ5:デスクトップショートカットの作成と便利設定
AviUtlを頻繁に利用するなら、デスクトップにショートカットを作成しておくと非常に便利です。
ショートカット作成手順
AviUtl本体のフォルダを開き、「aviutl.exe」ファイルを右クリックします。表示されたメニューから「送る」→「デスクトップ(ショートカットを作成)」を選択します。
これで、デスクトップにAviUtlのアイコンが表示され、ダブルクリックで簡単に起動できるようになります。
初期設定の確認と変更
AviUtlのメニューから「設定」→「環境設定」を選択すると、様々な設定を変更できます。特に以下の項目を確認しておくと良いでしょう。
- インターレース解除: 動画のちらつきを抑えるための設定です。通常は「自動」または「フィールドシフト」が推奨されます。
- キャッシュ設定: プレビュー再生をスムーズにするための設定です。PCのメモリ容量に応じて調整します。
- プラグインのパス設定: 拡張編集Pluginなどを正しく読み込ませるために、プラグインフォルダのパスが正しく設定されているか確認します。
これらの設定は、動画編集の品質や快適さに大きく影響します。最初はデフォルト設定のままでも問題ありませんが、慣れてきたら自分のPC環境や編集スタイルに合わせて調整してみましょう。
まとめ:AviUtlで動画編集を始めよう!
この記事では、無料動画編集ソフトAviUtlの導入方法について、APMを使った簡単な導入方法から、手動での本体・プラグイン導入、そして初期設定までを詳しく解説しました。
AviUtlは、その導入のハードルさえ越えてしまえば、非常にパワフルで自由度の高い動画編集環境を提供してくれます。今回ご紹介した手順を参考に、ぜひAviUtlを使った動画編集の世界に飛び込んでみてください。
最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、インターネット上には豊富な情報やチュートリアルが存在します。それらを活用しながら、あなただけのオリジナル動画制作を楽しんでください!

AviUtlは、使いこなせばプロ顔負けの動画が作れる可能性を秘めたソフトです。ぜひ、この機会に挑戦してみてくださいね!