シーケンスでリフトと抽出をする

Adobe Premiere Proでの動画編集において、タイムライン上での効率的な操作は、作業スピードと最終的なクオリティを大きく左右します。特に、複数のクリップが複雑に配置されたシーケンスでは、不要な部分を素早く削除したり、新しい素材をスムーズに挿入したりするテクニックが不可欠です。このページでは、Premiere Proの強力な編集機能である「リフト」「抽出」、そして「一括分割」に焦点を当て、それぞれの機能と具体的な使い方、そしてプロの現場で役立つ実践的なヒントを詳しく解説します。

これらの機能をマスターすることで、タイムラインの整理整頓が格段に進み、あなたの動画編集ワークフローは飛躍的に向上するでしょう。

Premiere Pro おすすめテンプレート素材

10点まで無料でダウンロードできて商用利用もOK!今すぐ使えるテンプレート

Adobeの生成AIも結構すごい

Adobeの生成AI Fireflyなら画像も動画も音声もベクター画像も効果音も作れます。無料で始められます

Adobe Fireflyを無料で始める

生成AIも全て込みの最強プラン

Premiere ProやPhotoshopなど全アプリと生成AIも使える全部入りプランで、実は結構お得です。

3か月半額で始める

シーケンスの範囲指定の基本:インポイントとアウトポイント

「リフト」や「抽出」といった一括削除機能を利用する上で、まず基本となるのが「範囲指定」です。これは、タイムライン上のどの部分を操作対象とするかを明確にするための重要なステップです。

シーケンスで一括削除を行う範囲は、インポイント(開始点)とアウトポイント(終了点)を指定して設定します。この指定は、主にプログラムモニター上で行います。プログラムモニター下部にある「インポイントを設定」ボタン(左向きの括弧アイコン)と「アウトポイントを設定」ボタン(右向きの括弧アイコン)をクリックすることで、再生ヘッドの位置を基準に範囲を設定できます。

より効率的に操作するためには、キーボードショートカットの活用が不可欠です。再生ヘッドを目的の位置に移動させ、キーボードの[I]キーでインポイント、[O]キーでアウトポイントを素早く設定しましょう。

https://www.fu-non.net/wp-content/uploads/2022/07/funon_teacher_80.jpg

インポイントとアウトポイントの正確な設定は、その後の編集作業の精度を大きく左右します。特に長尺の動画編集では、この基本操作を習得することが時短に繋がります。

関連する記事も参考に、インポイントとアウトポイントの基本操作をさらに深掘りしてみましょう。

関連記事
シーケンスにインポイントとアウトポイントを設定する Adobe Premiere Pro(プレミアプロ)での動画編集において、クリップのインポイントとアウトポイントを設定することは基本中の基本です。しかし、このインポイントとアウト

「リフト」で指定範囲を削除し、空白を残す

「リフト」は、シーケンス上の指定した範囲にあるクリップを削除し、その場所に空白(ギャップ)を残す機能です。この機能は、後から別の素材を挿入したい場合や、一時的にスペースを確保したい場合に非常に役立ちます。

リフトの操作手順

1. 範囲を指定する

前述の通り、プログラムモニターまたはショートカットキー(IO)を使って、削除したい範囲をインポイントとアウトポイントで正確に指定します。

2. 削除を適用するトラックを指定する

リフトを適用する前に、どのトラックからクリップを削除するかを指定できます。タイムラインの左側にあるトラックヘッダー(V1, V2, A1, A2など)をクリックして、削除対象としたいトラックをハイライト表示させます。全てのトラックから削除したい場合は、特にトラックの指定は必要ありません。特定のトラックのみを対象とする場合は、不要なトラックのハイライトがオフになっていることを確認しましょう。

3. プログラムモニターから「リフト」を適用する

範囲とトラックの指定が完了したら、プログラムモニター下部にある「リフト」ボタン(上向きの矢印アイコン)をクリックします。これにより、指定した範囲とトラックに含まれるクリップが削除され、その場所に空白のギャップが生成されます。

https://www.fu-non.net/wp-content/uploads/2022/07/funon_teacher_80.jpg

リフトでできたギャップは、後から新しいクリップを挿入したり、既存のクリップを移動させたりする際に非常に便利です。例えば、BGMや効果音を後から追加するスペースを確保するのに役立ちます。

ギャップの効率的な処理については、こちらの記事もご参照ください。

関連記事
PremiereProでギャップを削除する方法 Premiere Proでタイムライン上のギャップを効率的に削除する方法 Premiere Proで動画編集を行う際、タイムライン上に意図しない「ギャップ(空白)」が生じてしまうことは

「抽出」で指定範囲を削除し、後続クリップを詰める(リップル削除

「抽出」は、「リフト」と同様に指定した範囲のクリップを削除しますが、削除後に後続のクリップが自動的に左に移動し、空白(ギャップ)を詰める点が大きく異なります。これは「リップル削除」と呼ばれる操作の一種であり、タイムラインを常に詰まった状態に保ちたい場合に非常に効率的です。

抽出の操作手順

1. 範囲を指定する

「リフト」と同様に、プログラムモニターまたはショートカットキー(IO)で削除したい範囲を正確に指定します。

2. 削除を適用するトラックを指定する

「抽出」も「リフト」と同様に、削除対象とするトラックを選択できます。タイムラインのトラックヘッダーをハイライト表示させることで、特定のトラックのみを対象にリップル削除を適用することが可能です。

https://www.fu-non.net/wp-content/uploads/2022/07/funon_teacher_80.jpg

以前は「抽出」が全てのトラックに適用されるという情報もありましたが、最新のPremiere Proでは、選択したトラックに対してのみ抽出(リップル削除)を適用できます。これにより、より細やかな編集が可能になりました。

3. プログラムモニターから「抽出」を適用する

範囲とトラックの指定後、プログラムモニター下部にある「抽出」ボタン(左向きの矢印アイコン)をクリックします。これにより、指定した範囲のクリップが削除され、後続のクリップが自動的に左に移動してギャップが閉じられます。

リップル削除は、不要な部分を削除しつつ、タイムラインの長さを自動で調整してくれるため、特にラフカットの段階で非常に重宝します。

リップル削除の詳しい使い方については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事
シーケンス内のクリップを削除する Adobe Premiere Proでの動画編集において、不要なクリップの削除は日常的に行う重要な作業です。しかし、ただ削除するだけではタイムラインに空白(ギャップ)が生じ、後の

タイムラインを一括で分割する「編集点を追加」

「リフト」や「抽出」が範囲削除の機能であるのに対し、「編集点を追加」は、タイムライン上の複数のクリップを同時に分割する機能です。これは、特定のタイミングで全てのクリップにカットを入れたい場合や、音声と映像を同期させながら編集を進めたい場合に非常に便利です。

一括分割の操作手順

一括分割を行うには、まず現在の時間を示す再生ヘッドを分割したい位置に合わせます。

  • 選択トラックのみ分割:上部メニューの「シーケンス」>「編集点を追加」を選択するか、キーボードショートカット[Ctrl + K](Macの場合は[Command + K])を使用します。これにより、現在選択されている(ハイライトされている)トラック上のクリップのみが分割されます。
  • 全てのトラックを分割:上部メニューの「シーケンス」>「編集点を全てのトラックに追加」を選択するか、キーボードショートカット[Ctrl + Shift + K](Macの場合は[Command + Shift + K])を使用します。これにより、ロックされているトラックを除く全てのトラック上のクリップが同時に分割されます。

この一括分割機能は、レーザーツールCキー)で一つずつカットを入れるよりもはるかに高速で、特に複数のトラックにまたがる編集を行う際にその真価を発揮します。

https://www.fu-non.net/wp-content/uploads/2022/07/funon_teacher_80.jpg

一括分割は、例えばBGMの開始点と映像の切り替わりを完全に同期させたい場合や、特定の効果音を複数のクリップにまたがって適用したい場合に非常に便利です。分割後に不要な部分を削除したり、個別に調整したりすることで、より精度の高い編集が可能になります。

レーザーツールを使った分割方法については、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事
レーザーツールで分割する Adobe Premiere Pro(プレミアプロ)を使った動画編集において、クリップの分割やカット編集は最も頻繁に行う基本的な操作の一つです。不要な部分を削除したり、特定のシー

「リフト」「抽出」「一括分割」を使いこなす実践的ヒント

これらの機能を単体で使うだけでなく、他の編集テクニックと組み合わせることで、Premiere Proでの作業効率はさらに向上します。

どのようなシーンでどの機能を使うべきか

  • リフト:
    • 既存のクリップを別のクリップに置き換えたいが、タイムラインの全体の尺は変えたくない場合。
    • 後から新しい素材(テロップ、グラフィック、BGMなど)を挿入するために、一時的にスペースを確保したい場合。
    • 特定のセクションを削除し、意図的に空白の時間を設けたい場合。
  • 抽出:
    • 不要なシーンを削除し、タイムラインのギャップを自動で詰めて、後続のクリップを前方に移動させたい場合。
    • ラフカットの段階で、テンポ良く不要な部分を削っていきたい場合。
    • 複数のトラックにまたがる不要なセクションを、一括でリップル削除したい場合。
  • 一括分割(編集点を追加):
    • 特定のタイミングで、全てのトラックまたは選択したトラックのクリップに同時にカットを入れたい場合。
    • 音声と映像を同期させながら、特定のポイントで編集点を設けたい場合。
    • 複数のクリップに同じエフェクトやトランジションを適用する準備として、正確な分割点を作成したい場合。

効率的なショートカットキーの活用

Premiere Proの編集作業において、ショートカットキーの習得は必須です。今回紹介した機能以外にも、よく使うショートカットキーを覚えることで、マウス操作を減らし、作業スピードを格段に上げることができます。

例えば、タイムラインの拡大・縮小には+/-キー、選択ツールにはVキー、レーザーツールにはCキーなどがあります。

タイムライン整理の重要性

複雑な編集プロジェクトでは、タイムラインが乱雑になりがちです。リフトや抽出、一括分割を効果的に使いこなすだけでなく、タイムラインを常に整理整頓しておくことが、効率的でミスの少ない編集に繋がります。

例えば、関連するクリップをまとめて「ネスト化」することで、タイムラインをすっきりとさせ、編集作業を簡素化できます。

ネスト化については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事
シーケンスのネスト化 動画編集の世界では、効率と整理がプロのワークフローを左右します。特にAdobe Premiere Pro(プレミアプロ)を使用する上で、「ネスト化」は欠かせない強力な機能の一つで

プロの動画クリエイターは、これらの機能を単なる削除ツールとしてではなく、タイムラインを自在に操るための「戦略的なツール」として活用しています。例えば、リフトで意図的にギャップを作り、そこに新しい映像やグラフィックを挿入することで、より洗練された演出を実現します。抽出は、冗長な部分を素早く取り除き、動画のテンポを最適化するのに役立ちます。

まとめ:Premiere Proのシーケンス編集をマスターして作業効率を飛躍的に向上させよう

Premiere Proのシーケンス編集における「リフト」「抽出」「一括分割」は、動画編集の効率と精度を大きく向上させるための強力な機能です。それぞれの機能が持つ特性を理解し、適切な場面で使い分けることで、あなたの編集ワークフローは劇的に改善されるでしょう。

インポイントとアウトポイントによる正確な範囲指定、そしてトラック選択の概念をしっかりと把握し、これらの機能を日々の編集作業に積極的に取り入れてみてください。特に、ショートカットキーを習得することで、マウス操作に頼ることなく、思考のスピードで編集を進めることが可能になります。

動画編集は、単に素材を並べるだけでなく、いかに効率的かつ創造的に作業を進めるかが重要です。今回ご紹介したテクニックを習得し、Premiere Proでの編集スキルをさらに高め、より高品質な動画制作を目指しましょう。

動画の質を高めるアニメーション素材

10点まで無料でダウンロードできて商用利用もOK!今すぐ使えるテンプレート

Adobeの生成AIも結構すごい

Adobeの生成AI Fireflyなら画像も動画も音声もベクター画像も効果音も作れます。無料で始められます

Adobe Fireflyを無料で始める

生成AIも全て込みの最強プラン

Premiere ProやPhotoshopなど全アプリと生成AIも使える全部入りプランで、実は結構お得です。

3か月半額で始める

素材&テンプレート検索

TOP