AviUtlは、無料で高機能な動画編集ソフトとして多くのクリエイターに愛用されています。しかし、その真価を発揮するためには「拡張編集プラグイン」の導入が不可欠です。このプラグインを追加することで、従来の動画エンコードやフィルタリング機能に加え、タイムライン上での高度な動画編集が可能になり、まるで有料ソフトのような使い勝手へと変貌します。
本記事では、AviUtlを初めて使う方でも迷うことなく拡張編集プラグインをインストールし、さらに快適な動画編集環境を構築するための必須プラグイン導入、そしてよくあるトラブルへの対処法まで、網羅的に解説します。このガイドを参考に、あなたの動画編集ライフを飛躍的に向上させましょう。
動画テンプレートなら編集も簡単
無料でも使えるのに、使わないのはもったいないかも。今すぐダウンロード。
AviUtlを使う準備
「AviUtlを使う準備」に関連する記事の一覧です。
AviUtlと拡張編集プラグインの基礎知識
AviUtlは、KENくん氏によって開発されたWindows向けのフリー動画編集ソフトです。その最大の特徴は、豊富な「プラグイン」によって機能を自由に拡張できる点にあります。初期状態のAviUtlはシンプルな機能しか持ちませんが、プラグインを追加することで様々な動画形式の読み込み・出力、高度なエフェクト、そして本記事の主役である「拡張編集」機能が利用できるようになります。
拡張編集プラグインとは?
拡張編集プラグインは、AviUtlにタイムラインと設定ダイアログを追加し、動画、静止画、テキストなどをレイヤーとして重ね合わせ、複雑な動画編集を可能にするための核となる機能です。, このプラグインを導入することで、動画のカット、結合、テロップ挿入、エフェクトの適用など、動画編集の基本的な操作から応用的な表現まで、幅広く対応できるようになります。拡張編集機能は、AviUtlを本格的な動画編集ソフトとして活用する上で、まさに「必須」と言える存在です。
AviUtlの拡張編集機能は、従来の動画エンコードやフィルタソフトから動画編集ソフトに変貌させることが出来る、非常に重要なプラグインです。このプラグインなしでは、現代の動画編集はほぼ不可能です。
AviUtlの基本的な動画編集の流れについては、以下の記事も参考にしてください。AviUtl動画編集の基本フロー
AviUtl拡張編集プラグインのダウンロード手順
拡張編集プラグインはAviUtl本体とは別に配布されているため、別途ダウンロードしてAviUtlのフォルダに組み込む必要があります。
公式サイト「AviUtlのお部屋」からダウンロード
AviUtl本体と拡張編集プラグインは、開発者KENくん氏の公式サイト「AviUtlのお部屋」からダウンロードできます。,
サイトにアクセスしたら、以下の2つのファイルをダウンロードしましょう。
- aviutl110.zip(AviUtl本体)
- exedit92.zip(拡張編集プラグイン)

「exedit93rc1.zip」のようなテスト版はバグが多くトラブルの原因になりやすいため、必ず「exedit92.zip」のような安定版をダウンロードしましょう。
AviUtl拡張編集プラグインのインストール手順
ダウンロードしたファイルの解凍
ダウンロードした「aviutl110.zip」と「exedit92.zip」は、そのままでは利用できません。まずはそれぞれのファイルを解凍しましょう。Windowsの標準機能で簡単に解凍できます。
- ダウンロードしたZIPファイルを右クリックします。
- 「すべて展開」を選択します。
- 展開先を指定し、「展開」をクリックします。
通常、数秒で完了する簡単な作業です。
AviUtlフォルダの準備と「plugins」フォルダの作成
解凍したAviUtl本体のフォルダ(例: aviutl110)を開き、その中に「plugins」という名前の新しいフォルダを作成します。この「plugins」フォルダは、拡張編集プラグインだけでなく、今後導入する様々なプラグインを管理するために非常に重要です。,
- AviUtl本体を解凍したフォルダ内で右クリックします。
- 「新規作成」から「フォルダ」を選択します。
- フォルダ名を「plugins」と入力します。
フォルダ名のスペルミス(特に最後の「s」の有無)は、プラグインが正常に動作しない原因となるため、注意深く確認しましょう。
拡張編集プラグインファイルのコピー
解凍した拡張編集プラグインのフォルダ(例: exedit92)を開き、その中にあるすべてのファイルを、先ほど作成したAviUtl本体フォルダ内の「plugins」フォルダにコピー&ペーストします。
拡張編集プラグインのフォルダ全体をコピーするのではなく、フォルダの中身(exedit.auf、exedit.auiなど)を直接「plugins」フォルダに入れるようにしましょう。フォルダごと入れてしまうと、AviUtlが正しく認識できない場合があります。
インストール後の確認と初期設定
「拡張編集の設定」の表示確認
拡張編集プラグインが正しくインストールされているかを確認するため、AviUtlを起動します。AviUtlのメニューバーから「設定」をクリックし、その中に「拡張編集の設定」という項目が追加されていれば、インストールは成功です。,,
タイムラインの表示方法
「拡張編集の設定」をクリックすると、動画編集の要となる「拡張編集ウィンドウ(タイムライン)」が表示されます。, もし表示されない場合は、画面外に移動している可能性があるので、後述のトラブルシューティングを参照してください。,
【重要】AviUtlをさらに快適にする必須プラグイン
拡張編集プラグインの導入だけでもAviUtlは大きく進化しますが、さらに快適に、そしてプロレベルの動画編集を行うためには、いくつかの必須プラグインを追加で導入することをおすすめします。 これらのプラグインは、動画の読み込み、出力、動作の安定性、パフォーマンス向上に不可欠です。
必須プラグイン一覧と導入のポイント
以下の表に、AviUtlを最大限に活用するために導入すべき主要なプラグインとその役割、導入のポイントをまとめました。
プラグイン名 | 役割 | 導入のポイント |
---|---|---|
L-SMASH Works | 様々な動画・音声形式の読み込み(MP4, MOVなど), | AviUtlで多様なファイルを扱うために必須。最新版を導入し、AviUtlフォルダ内の「plugins」フォルダに配置。, |
x264guiEx | 高品質なMP4/MKV形式での動画出力, | 初期状態ではAVI形式しか出力できないAviUtlで、汎用性の高いMP4形式で出力するために必須。AviUtl本体フォルダに配置。 |
patch.aul | バグ修正、機能追加、動作の軽量化 | AviUtlの安定性とパフォーマンスを大幅に向上させる。AviUtl本体フォルダに配置。Visual C++ 再頒布可能パッケージが必要な場合あり。, |
InputPipePlugin | メモリ使用量の削減、エラー回避,,, | 長時間の動画編集や高解像度動画で発生しやすいメモリ不足によるエラーを軽減。L-SMASH Worksを前提としているため、L-SMASH Worksと同じフォルダに配置し、入力プラグインの優先度設定が必要。, |

これらのプラグインは、AviUtlの「弱点」を補い、有料ソフトにも劣らない快適な編集環境を実現するために非常に重要です。特にL-SMASH Worksとx264guiExは、現代の動画ファイル形式に対応するために欠かせません。,
各プラグインの一般的な導入方法
ほとんどのプラグインは、以下の手順で導入できます。
- 各プラグインの配布サイトから最新版のZIPファイルをダウンロードします。
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍します。
- 解凍して出てきたファイル(.auf, .aui, .dllなど)を、AviUtl本体フォルダ、またはAviUtlフォルダ内の「plugins」フォルダにコピー&ペーストします。配置場所はプラグインによって異なるため、各プラグインの導入ガイドやReadmeファイルを確認しましょう。
- AviUtlを再起動し、メニューの「ファイル」→「環境設定」→「システム設定」や「プラグイン出力」などで、プラグインが認識されているか確認します。
プラグインの導入は、AviUtlの機能を飛躍的に向上させますが、バージョンによっては相性問題が発生することもあります。基本的には最新の安定版を導入し、もし不具合があれば、配布サイトの情報を確認するか、少し古い安定版を試してみるのも一つの手です。

よくあるトラブルと対処法
AviUtlの導入や使用中に発生しやすいトラブルとその解決策を知っておくことで、スムーズに作業を進めることができます。
「拡張編集の設定」が表示されない
最もよくあるトラブルの一つです。以下の点を確認しましょう。,
- 「plugins」フォルダのスペルミス: 「plugin」ではなく「plugins」と正しく入力されていますか?
- ファイルのコピー方法: 拡張編集プラグインのフォルダ全体ではなく、中身のファイル(exedit.aufなど)を直接「plugins」フォルダにコピーしましたか?
- ZIPファイルの解凍忘れ: ダウンロードしたZIPファイルはすべて解凍済みですか?
- AviUtl本体と拡張編集プラグインのバージョン不一致: 最新の安定版同士を組み合わせているか確認しましょう。

これらの確認事項は、初歩的ですが非常に重要です。特にフォルダ名やファイルの配置は、AviUtlがプラグインを認識するための基本中の基本なので、焦らず一つずつ確認しましょう。
拡張編集ウィンドウが画面外に消えた
AviUtlの起動時に拡張編集ウィンドウが見当たらない場合、画面外に移動してしまっている可能性があります。,,
対処法: AviUtlのメニューバーから「ファイル」→「環境設定」→「ウィンドウの位置を初期化」をクリックします。これにより、すべてのウィンドウが初期位置に戻ります。,,
メモリ不足によるエラー
長時間の動画や高解像度の動画を編集していると、「メモリの確保に失敗しました」といったエラーが表示されることがあります。,
対処法:
- AviUtlの最新バージョンへの更新: 最新のAviUtl本体(version1.10以降)は、メモリ使用量が大幅に改善されています。,,
- InputPipePluginの導入: メモリ使用量を削減し、エラーを回避するのに役立ちます。,,,
- システム設定の調整: 「ファイル」→「環境設定」→「システム設定」から、キャッシュサイズや最大画像サイズなどを調整してみましょう。,,
- PCのメモリ増設: 根本的な解決には、PCのメモリを増設することが有効です。AviUtlでの動画編集には最低4GB、できれば8GB以上のメモリが推奨されます。,
- 不要なプラグインの削除: 古い、または使用していないプラグインがエラーの原因となることもあります。,

AviUtlの動作が重い場合の対策
編集作業中にAviUtlの動作が重く感じる場合は、以下の対策を試してみてください。,,,,
- patch.aulの導入: 動作の軽量化やバグ修正に効果的です。,
- 画像処理を間引いて表示: タイムライン上で右クリックし、「画像処理を間引いて表示」にチェックを入れると、プレビュー時の負荷を軽減できます。,
- キャンバスサイズの調整: 必要以上に大きな解像度で編集していないか確認し、適切なサイズに設定しましょう。,,
- 読み込む素材の最適化: 読み込む動画のサイズが大きすぎる場合、事前にリサイズしたり、無圧縮のAVIファイルを読み込んだりすることで改善されることがあります。,
- 重いフィルタの設定変更/非表示: 多くのフィルタを使用すると動作が重くなるため、不要なフィルタはオフにするか、重いフィルタは出力直前まで非アクティブにしておきましょう。,,
- PCスペックの確認: 根本的な解決には、より高性能なCPUや十分なメモリ、SSDへの換装などが有効です。,

AviUtlは32bitアプリケーションのため、高解像度の動画編集ではPCスペックが高くても重くなることがあります。 上記の対策を組み合わせることで、より快適な編集環境を構築できます。
まとめ
AviUtlに拡張編集プラグインを導入することで、無料とは思えないほどの高機能な動画編集が可能になります。さらに、L-SMASH Worksやx264guiEx、patch.aul、InputPipePluginといった必須プラグインを組み合わせることで、動画の読み込みから出力、そして編集作業全体の快適性が飛躍的に向上します。,,
初めての導入は少し複雑に感じるかもしれませんが、本記事で解説した手順とトラブルシューティングを参考にすれば、誰でもスムーズにAviUtlを使いこなせるようになるはずです。ぜひこれらのプラグインを導入し、あなたのクリエイティブな動画編集の世界を広げてください。
AviUtlは、結婚式のエンドロールなど、様々な感動的な動画制作にも活用できます。動画編集の技術を磨き、大切な思い出を形にするためのヒントもぜひご覧ください。


このガイドが、あなたのAviUtlでの動画編集をより豊かにする一助となれば幸いです。