AviUtlでオブジェクトのサイズを自由自在に操る!ドラッグ&ショートカット、画質維持の秘訣まで徹底解説

AviUtlを使った動画編集において、写真や動画オブジェクトのサイズを効率的に変更するスキルは、作業のスムーズさに直結します。複数の素材を同時に画面内に配置するレイアウトや、ゲーム実況動画、バラエティ番組でよく見られるワイプ合成など、様々な表現を可能にする上で、オブジェクトのサイズ調整は不可欠です。このページでは、AviUtlでオブジェクトのサイズを直感的に、そして正確に変更する方法について、プロの視点から詳しく解説します。

AviUtlのサイズ変更は、単に見た目を調整するだけでなく、動画全体の構成や視覚的なインパクトを大きく左右する重要な工程です。効率的な操作方法を習得することで、よりクリエイティブな表現が可能になります。

1. AviUtlでオブジェクトのサイズを変更する基本操作

AviUtlでオブジェクトのサイズを変更する方法は、大きく分けて「設定ダイアログからの数値入力」と「プレビューウィンドウでの直感的な操作」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けることが効率的な編集の鍵となります。

1.1. 設定ダイアログで数値を入力し正確に調整する

設定ダイアログは、オブジェクトの「拡大率」を数値で直接指定できるため、非常に正確なサイズ調整が可能です。元のオブジェクトの大きさを100%として、パーセンテージで拡大・縮小率を設定します。例えば、特定のオブジェクトを他のオブジェクトとピッタリ同じ大きさに揃えたい場合や、厳密な比率で調整したい場合に非常に便利です。

また、「基本効果」エフェクトを追加することで、「拡大率X」と「拡大率Y」を個別に調整し、縦横比を自由に変更することも可能です。

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設定ダイアログでの数値入力は、特に複数のオブジェクトを整列させたり、特定のデザインガイドラインに合わせたりする際に重宝します。細かな調整が必要な場合は、この方法が最も確実です。

1.2. プレビューウィンドウで直感的にドラッグ操作する

AviUtlのプレビューウィンドウ上で、写真や動画オブジェクトのサイズを直接マウスで変更する方法は、非常に直感的で編集作業を加速させます。オブジェクトの位置を変更する際にドラッグするのと同じ要領で、キーボードのAltキーを押しながらオブジェクトの四隅や辺をドラッグすると、位置ではなくサイズを変更できます。

このAltキーを押しながらのドラッグ操作は、AviUtlで動画編集を行う上でぜひ覚えておきたいショートカットの一つです。視覚的にサイズ感を調整したい場合に非常に役立ちます。

  • キーボードのAltキーを押しながらプレビューウィンドウでオブジェクトをドラッグすると拡大縮小。
  • さらにShiftキーも同時に押しながらドラッグすると、縦横比を固定したままサイズを変更できます。これにより、オブジェクトが歪むことなく拡大・縮小されます。
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プレビュー画面での直感的な操作は、特にレイアウトの試行錯誤や、動きのある演出を付ける際に威力を発揮します。視覚的なフィードバックをすぐに得られるため、作業効率が格段に向上します。

2. サイズ変更をさらに効率化するショートカットキーと応用テクニック

AviUtlには、サイズ変更だけでなく、様々な操作を効率化するためのショートカットキーが豊富に用意されています。これらを活用することで、よりスムーズな編集が可能になります。

2.1. キーボードショートカットで素早く拡大・縮小・回転

テンキーの+キーと-キーを使うことで、オブジェクトを10%ずつ拡大・縮小できます。これは、微調整を行いたい場合に非常に便利です。

ショートカットキー 効果
+ オブジェクトを拡大 (10%ずつ)
オブジェクトを縮小 (10%ずつ)
* +方向に回転 (22.5度ずつ)
/ -方向に回転 (22.5度ずつ)

回転操作についても、マウスとの組み合わせ操作は標準では提供されていませんが、テンキーの*/キーで22.5度ずつ回転させることが可能です。

2.2. 複数のオブジェクトを一括でサイズ変更する

複数のオブジェクトのサイズをまとめて変更したい場合、一つずつ設定するのは非効率です。AviUtlでは、複数のオブジェクトを選択した状態で設定ダイアログの数値を変更することで、一括でサイズ調整が可能です。

タイムライン上でCtrlキーを押しながらドラッグして複数のオブジェクトを選択し、そのまま設定ダイアログの「拡大率」などを変更するだけで、選択した全てのオブジェクトにその変更が適用されます。

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この一括変更機能は、特に多数の画像や動画を扱うスライドショーや、統一感のあるレイアウトを作成する際に絶大な効果を発揮します。ぜひ活用して作業時間を短縮しましょう。


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2.3. 「拡大率」と「サイズ」の違いを徹底理解する

AviUtlには「拡大率」と「サイズ」という似たような概念が存在しますが、これらは異なる意味を持ちます。

  • 拡大率: オブジェクトの元の画質を保ちながら、表示上の大きさを変更します。大きくしすぎると画質が劣化する可能性があります。
  • サイズ: 図形オブジェクトなどで、図形自体の大きさを調整します。画質の劣化を抑えつつ、図形の大きさを変更したい場合に利用します。

動画や画像オブジェクトのサイズを変更する際は、主に「拡大率」を使用しますが、プロジェクト全体の出力サイズや、読み込んだ素材とプロジェクトのサイズが合わない場合は、「設定」メニューの「サイズの変更」や「リサイズ」フィルタの活用も検討しましょう。

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「拡大率」と「サイズ」の違いを理解することは、画質を維持しつつ最適な映像を作り上げる上で非常に重要です。特に高解像度な素材を扱う場合は、この違いを意識して編集を進めましょう。

2.4. 中間点を使った動的なサイズ変更(アニメーション)

オブジェクトのサイズを時間経過とともに変化させたい場合は、「中間点」を活用します。中間点を挿入し、それぞれの地点で拡大率を設定することで、オブジェクトが「にゅ~ん」と拡大・縮小するようなアニメーションを作成できます。

中間点は、オブジェクトを選択した状態でキーボードのPキーを押すことで、現在のフレーム位置に追加できます。 複数のキーフレームを設定し、それぞれの拡大率を調整することで、ズームイン・ズームアウト、フェードイン・フェードアウトのような動きを表現できます。

中間点を使ったサイズ変更は、動画に動きとダイナミズムを与える強力な手法です。例えば、特定の箇所を強調するためにズームインしたり、画面からフェードアウトするように縮小させたりと、様々な演出に応用できます。

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3. 画質を維持しつつ最適なサイズ調整を行うためのヒント

3.1. オブジェクト拡大時の画質劣化を防ぐには

AviUtlの「拡大率」は、元の画像を無理やり引き延ばして表示するため、元の解像度以上の拡大を行うと画質が劣化する傾向があります。 特に、低解像度の素材を大きく表示しようとすると、ピクセルが粗く見えてしまいます。

高画質を維持したまま大きく表示したい場合は、以下の点を検討してください。

  • より高解像度の素材を使用する: これが最も根本的な解決策です。最初から高画質な素材を用意しましょう。
  • AviUtlの「最大画像サイズ」設定を見直す: 「ファイル」→「環境設定」→「システムの設定」にある「最大画像サイズ」を大きくすることで、AviUtlが扱える画像の最大サイズを増やし、画質劣化を抑える効果が期待できます。ただし、増やしすぎるとメモリ使用量が増え、動作が重くなったり、エラーの原因になる可能性もあるため注意が必要です。
  • リサイズフィルタの活用: 「リサイズ」フィルタは、オブジェクトの表示サイズを調整しつつ、ある程度の画質補正を行うことができます。
  • 外部ツールやAIアップスケーリングの検討: AviUtl単体では難しいですが、動画編集のワークフロー全体で考えれば、AIによる高画質化ツール(例: ScaleUpなど、AviUtl向けではないものもありますが、概念として)で事前に素材を高解像度化しておくことも有効です。

3.2. プロジェクト全体のサイズとオブジェクトのサイズ

AviUtlで動画編集を始める際、最初に設定する「新規プロジェクトの作成」でのサイズ(解像度)は、そのプロジェクトの基準となる画面サイズです。 このプロジェクトサイズは、一度設定すると後から変更することが推奨されません。変更すると、既存のオブジェクトの配置やサイズが崩れる原因となるためです。

もし、最終的な出力サイズを変更したい場合は、以下の方法を検討しましょう。

  • 「設定」メニューの「サイズの変更」: これはAviUtl本体の表示サイズを変更するもので、出力サイズにも影響します。ただし、拡張編集と組み合わせて使う場合は、フィルタの順序によって挙動が変わるため注意が必要です。
  • 「リサイズ」フィルタの活用: 拡張編集で動画オブジェクトに「リサイズ」フィルタを適用することで、個々の動画の解像度を調整できます。
  • エンコード時の出力設定: 最終的に動画を出力する際(エンコード時)に、目的の解像度や縦横比を指定して出力することができます。

例えば、縦動画を編集したい場合は、新規プロジェクト作成時に幅を狭く、高さを広く設定します(例: 608×1080など)。

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プロジェクトの初期設定は、動画制作の土台となる非常に重要なステップです。後々のトラブルを避けるためにも、目的とする動画の解像度やアスペクト比を考慮して慎重に設定しましょう。

4. プレビュー画面を最大限に活用するワークフロー

サイズ変更を含むあらゆる編集作業において、プレビュー画面を効率的に活用することは不可欠です。AviUtlのプレビュー画面は、メインウィンドウに表示させる設定にすることで、よりスムーズな確認が可能になります。

4.1. プレビュー画面の表示設定と拡大表示

  • メインウィンドウへの表示: 「表示」メニューから「メインウィンドウに表示」を選択することで、プレビュー画面を大きく表示し、より詳細な確認ができます。
  • フレームバッファや画面複製オブジェクト: これらを利用することで、プレビュー画面を拡大表示し、細部の調整をより正確に行うこともできます。特に、画面の一部を拡大して確認したい場合に便利です。
  • 虫眼鏡プラグイン: より細かな部分を拡大して確認したい場合は、「虫眼鏡プラグイン」の導入も検討しましょう。特定の範囲を拡大表示できるため、オブジェクトのわずかなズレや隙間なども見つけやすくなります。

4.2. 効率的な確認と調整のコツ

プレビュー画面での確認と調整を効率的に行うためには、ショートカットキーを積極的に活用することが重要です。例えば、再生・停止(スペースキー)や1フレーム移動(左右矢印キー)を組み合わせることで、動きのあるオブジェクトのサイズ変化を細かくチェックできます。

これらの操作方法を習得し、組み合わせることで、AviUtlでの動画編集作業は格段に効率的かつ快適になります。ぜひ、ご自身の編集スタイルに合わせて、最適な方法を見つけてみてください。

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5. よくある疑問と解決策

AviUtlでオブジェクトのサイズ変更を行う際によくある疑問とその解決策をまとめました。

Q1: オブジェクトを拡大すると画質が荒くなるのはなぜですか?

A1: AviUtlの「拡大率」は、元の画像を無理やり引き延ばして表示するため、元の解像度以上の拡大を行うと画質が劣化する傾向があります。 高画質を維持したまま大きく表示したい場合は、より高解像度の素材を使用するか、AviUtlの「最大画像サイズ」設定を見直すことも検討してください。ただし、増やしすぎるとメモリ使用量が増え、エラーの原因になる可能性もあります。

Q2: プレビュー画面でオブジェクトが選択できない、またはドラッグできない場合は?

A2: 以下の点を確認してください。

  • 対象のオブジェクトがタイムライン上で選択されているか。
  • 「拡張編集」ウィンドウが表示されているか。
  • Altキーを正しく押しながらドラッグしているか。
  • AviUtlのバージョンやプラグインの競合がないか。
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Q3: 縦横比を固定したままサイズ変更するには?

A3: Altキーを押しながらドラッグする際に、同時にShiftキーも押すことで、縦横比を固定したままサイズを変更できます。これにより、オブジェクトが歪むことなく拡大・縮小されます。

Q4: 複数のオブジェクトのサイズを一度に変更したいのですが?

A4: タイムライン上でCtrlキーを押しながら、サイズを変更したい複数のオブジェクトをクリックして選択します。その後、設定ダイアログの「拡大率」などの数値を変更すれば、選択した全てのオブジェクトにその変更が適用されます。

これらのヒントを活用することで、AviUtlでのサイズ変更がよりスムーズになり、あなたの動画編集スキルがさらに向上するでしょう。様々な機能を試して、理想の映像表現を目指してください。

まとめ

AviUtlにおけるオブジェクトのサイズ変更は、動画の見た目や表現力を大きく左右する重要な編集作業です。本記事では、設定ダイアログでの正確な数値入力から、プレビューウィンドウでの直感的なドラッグ操作、さらには効率を高めるショートカットキーや中間点を使ったアニメーションまで、多岐にわたる方法を解説しました。

特に、画質劣化を防ぐための「拡大率」と「サイズ」の違いの理解、そしてプロジェクト全体のサイズ設定の重要性は、プロレベルの動画制作を目指す上で不可欠な知識です。また、プレビュー画面を最大限に活用し、効率的なワークフローを確立することで、あなたの編集作業は格段に快適になるでしょう。

これらの知識とテクニックを習得し、実践することで、AviUtlでの動画編集スキルは飛躍的に向上します。ぜひ、今回学んだことを活かして、あなたのクリエイティブなアイデアを映像で表現してください。

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