かつてWindowsユーザーに広く愛用された無料動画編集ソフト「Windowsムービーメーカー」。特に結婚式の生い立ちムービーやプロフィールムービーなど、大切な思い出を形にするために活用された方も多いのではないでしょうか。
しかし、ご存じの通り、Windowsムービーメーカーは2017年1月10日をもってMicrosoftによる公式サポートが終了しています。現在、公式サイトからダウンロードすることはできません。そのため、非公式サイトからのダウンロードは、ウイルス感染や個人情報漏洩といったセキュリティリスクを伴うため、強く推奨されません。本記事では、Windowsムービーメーカーの基本的な使い方を解説しつつ、その限界と、現代の動画編集における安全で高機能な代替手段について詳しくご紹介します。特に、結婚式ムービーを自作したいと考えている方に向けて、最適なソフト選びと成功の秘訣もお伝えします。
Windowsムービーメーカーとは?その歴史と愛された特徴
Windowsムービーメーカーは、Microsoftが提供していた無料の動画編集ソフトウェアです。Windows XP、Vista、7、8といったOSに搭載、または無料でダウンロード提供されていました。その最大の特徴は、動画編集の知識がない初心者でも直感的に操作できる手軽さにありました。写真や動画素材をタイムラインに並べ、簡単な操作で一本のムービーに仕上げられるため、多くのユーザーに支持されました。特に、結婚式で上映する感動的な生い立ちムービーやプロフィールムービーの自作ツールとして、その手軽さから重宝された歴史があります。
動画テンプレートなら編集も簡単
無料でも使えるのに、使わないのはもったいないかも。今すぐダウンロード。
Windowsムービーメーカーには2種類あった
「ムービーメーカー」と一口に言っても、「Windowsムービーメーカー」と「Windows Live ムービーメーカー」の2種類が存在しました。名前は似ていますが、これらには互換性がなく、操作画面(UI)も異なります。本記事で解説しているのは、より新しい「Windows Live ムービーメーカー」の方です。
ムービーメーカーが愛された特徴
公式提供が終了した現在でも、その名が検索され続けるのは、以下の特徴があったからです。
- 完全無料: 追加費用なしで基本的な動画編集が可能でした。
- 直感的な操作性: 初心者でも迷わず使えるシンプルなインターフェースが魅力でした。
- 透かしロゴなどの制限なし: 出力した動画にソフトのロゴが入ることがなく、商用利用も可能でした。
- テキスト位置の自由度: タイトルやキャプションの配置を比較的自由に調整できました。
- エフェクトやトランジションも搭載: 動画に動きや視覚的な変化を加える機能が備わっていました。
これらの特徴から、特に「手軽に動画を作りたい」「結婚式のムービーを自作したい」といったニーズに合致し、多くのユーザーに支持されていました。シンプルながらも、動画制作の楽しさを教えてくれた存在と言えるでしょう。
【最重要】Windowsムービーメーカーの利用は危険!その重大なリスクを徹底解説
Windowsムービーメーカーは、2017年1月10日に「Windows Essentials 2012」スイートの一部として、Microsoftによる公式サポートが終了し、ダウンロード提供も廃止されました。これは、単にダウンロードできなくなっただけでなく、セキュリティアップデートも行われないことを意味します。そのため、現在Windowsムービーメーカーを新しくダウンロードしたり、利用し続けたりすることには、以下のような重大なリスクが伴います。
- ウイルスやマルウェア感染の危険性: 公式サイト以外で「ムービーメーカー ダウンロード」と検索して上位に表示されるサイトの中には、ウイルスやマルウェアが仕込まれたファイルを配布している悪質なサイトが多数存在します。不用意にダウンロードすると、パソコンが感染し、個人情報が盗まれたり、システムが破壊されたりする恐れがあります。Microsoftも非公式なダウンロードサイトにはウイルスや見えないコストが含まれる可能性があると警告しています。
- 詐欺被害の可能性: 課金を要求したり、不要なソフトを同時にインストールさせたりする詐欺サイトも報告されています。
- ライセンス違反のリスク: 非公式な方法で入手したソフトウェアは、ライセンス規約に違反する可能性があります。
- 最新OSとの互換性問題: WindowsムービーメーカーはWindows 10や11といった最新のOSに正式対応しておらず、動作が不安定になったり、予期せぬエラーが発生したりする可能性があります。
- 機能的な限界とトラブル: 古いソフトウェアであるため、最新の動画形式に対応していなかったり、動作が重くなったり、予期せぬクラッシュが発生したりするトラブルも報告されています。

「Internet Archive」のようなウェブアーカイブサービス上に、かつてのMicrosoftが提供していた本物のムービーメーカーのコピーファイルが置かれている場合もありますが、利用は自己責任となり、Microsoftの規約をクリアするものであるかどうかの確認が必要です。安全性を最優先するなら、利用は避けるべきでしょう。
これらのリスクを考慮すると、現在Windowsムービーメーカーを新たに利用することは推奨できません。もし動画編集を始めたいのであれば、安全で機能が充実した現代の代替ソフトを利用することを強くお勧めします。
Windows Live ムービーメーカーの基本的な使い方:編集の準備と操作(過去の振り返りとして)
ここでは、既にWindows Live ムービーメーカーをお持ちの方、または過去の操作を振り返りたい方向けに、基本的な使い方を解説します。ただし、前述の通り、新規での利用は推奨されません。
インストールと起動
Windowsムービーメーカーが元々インストールされている場合は、デスクトップのアイコンをダブルクリックするか、スタートメニューから起動します。もしダウンロードが必要な場合は、前述の注意点を十分に理解した上で、自己責任において信頼できるソースからインストーラーを入手し、インストールを行ってください。
画像や動画を取り込む
動画編集を始めるには、まず写真や動画などの素材をムービーメーカーに取り込む必要があります。最も簡単な方法は、パソコン内のフォルダからムービーメーカーの画面に直接ドラッグ&ドロップすることです。複数のファイルをまとめて取り込むことも可能です。また、「ホーム」タブの「ビデオおよび写真の追加」をクリックしてファイルを選択する方法もあります。

結婚式ムービーの場合、写真や動画の枚数が多くなりがちです。事前にフォルダ分けをして整理しておくと、取り込み後の作業がスムーズに進みます。これは現代の動画編集ソフトでも共通のコツです。
素材の編集
取り込んだ素材を編集し、動画として形にしていきます。
写真や動画を整理してつないでいく
ムービーメーカーに取り込んだ写真や動画の素材は、ドラッグ&ドロップで簡単に順番を入れ替えることができます。編集を始める前に、大まかな流れを決めて素材を並べておくと、その後の作業が格段に効率的になります。
不要なシーンのカット(トリミング)と分割
動画や画像内の不要な部分を削除したり、表示時間を調整したりするには、素材をダブルクリックして編集モードに入ります。
- 動画の場合: 「ビデオツール」タブの「トリムツール」や「分割ツール」を利用します。トリムツールでは動画の開始点と終了点を設定して必要な部分だけを残し、分割ツールでは動画を任意の場所で二つに分けることができます。
- 写真の場合: 「ビデオツール」タブの「再生時間」の項目に希望の秒数を入力することで、写真の表示時間を変更できます。


エフェクトやアニメーションの追加
ムービーメーカーでは、写真や動画に視覚的な効果や動きを加えることができます。
- 視覚効果(エフェクト): 「視覚効果」タブから、モザイク、白黒、セピア、ぼかしなど、様々なエフェクトを適用できます。これらは動画全体の雰囲気を変えたいときに便利です。

- アニメーション(移動及び拡大): 「アニメーション」タブの「移動及び拡大」項目から、写真にズームイン・ズームアウトやパン(画面移動)といった動きを加えることができます。結婚式の生い立ちムービーで写真を効果的に見せる際に多用される機能です。

トランジション効果の挿入
動画編集において、写真や動画の切り替わりに挿入される効果を「トランジション」と呼びます。ムービーメーカーでは、「アニメーション」タブの左側にある「切り替え効果」メニューから、様々なトランジションを選択して適用できます。これにより、シーンの切り替わりをスムーズにしたり、視覚的なアクセントを加えたりすることが可能です。