iMovieからmp4形式で動画を書き出す方法

iMovieで作成した動画を、汎用性の高いMP4形式で書き出す方法はご存知でしょうか? iMovieの書き出しメニューには「MP4」という直接的な表記がないため、初めての方は戸惑うことも少なくありません。しかし、適切な設定を行うことで、高品質かつ互換性の高いMP4ファイルを簡単に作成できます。

この記事では、iMovie(Mac版)からMP4形式で動画を書き出すための詳細な手順を、画質やファイルサイズを最適化するコツ、さらには書き出し時のトラブルシューティングまで網羅して解説します。結婚式のオープニングムービーやイベント映像など、様々なシーンでiMovieを活用している方にとって、本記事が最高の動画書き出しガイドとなることを目指します。

iMovieからMP4形式で動画を書き出す基本手順(Mac版)

iMovieで編集した動画をMP4形式で書き出すプロセスは非常にシンプルです。ここでは、Mac版iMovieでの具体的な手順をステップバイステップで解説します。

1. 書き出すプロジェクトの選択と準備

まず、書き出しを行いたいiMovieプロジェクトを開きます。現在編集中のプロジェクトであれば、そのまま次のステップに進めます。複数のプロジェクトがある場合は、プロジェクト選択画面から目的のプロジェクトを一つ選択してください。

iMovieプロジェクト選択画面

2. 「共有」メニューから「ファイル」を選択

iMovieからの動画書き出しは、画面右上にある「共有」アイコンから行います。このアイコンをクリックすると、様々な共有オプションが表示されます。MP4形式で書き出す場合は、その中から「ファイル」を選択してください。これにより、動画ファイルをローカルに保存するための設定画面が開きます。

iMovie共有メニュー

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「共有」メニューにはYouTubeやFacebookへの直接アップロードオプションもありますが、汎用性を考えると一度ファイルとして書き出すのがおすすめです。

3. MP4書き出し設定のポイント

「ファイル」を選択すると、動画の書き出し設定ダイアログが表示されます。ここでいくつかの重要な項目を設定します。

iMovie書き出し設定画面

  • タイトル:動画のファイル名になります。分かりやすい名前をつけましょう。
  • 説明・タグ:YouTubeやiTunesなどで管理する場合に役立ちますが、通常は空欄でも問題ありません。
  • フォーマット:「ビデオとオーディオ」を選択します。音声のみを書き出したい場合は「オーディオのみ」を選びます。
  • 解像度:動画の画質とファイルサイズに直結します。1080p(フルHD)が高画質で一般的ですが、用途に応じて720p(HD)や540p(SD)も選択できます。4Kで撮影したクリップやムービーは、そのネイティブ解像度で書き出すことも可能です。

品質設定:MP4書き出しの鍵

iMovieでMP4形式で書き出す上で最も重要なのが「品質」の項目です。この設定によって、出力される動画のファイル形式が決まります。

iMovie品質設定画面

「品質」の項目が「低」「中」「高」「カスタム」のいずれかに設定されている場合に、MP4形式(H.264コーデック)で書き出しが行われます。一方、「最高(ProRes)」を選択すると、Apple独自の高品質なMOV形式(ProResコーデック)で出力されます。MP4形式が必要な場合は、必ず「低」「中」「高」「カスタム」のいずれかを選択するように注意しましょう。

圧縮設定:ファイルサイズと速度のバランス

「圧縮」の項目では、書き出し速度と品質のバランスを設定できます。「品質優先」を選ぶと高画質を維持できますが、書き出しに時間がかかります。「高速」を選ぶと書き出しは速くなりますが、画質が若干低下する可能性があります。用途に応じて最適な方を選びましょう。

4. 保存先の指定と書き出し実行

すべての設定が完了したら、「次へ」をクリックし、動画ファイルの保存場所を指定します。デスクトップや「ムービー」フォルダなど、後で分かりやすい場所を選ぶのがおすすめです。また、ハードディスクの空き容量が十分にあるパーティションやドライブを選択することも重要です。ファイル名を入力し、「保存」をクリックすると、動画の書き出しが開始されます。

iMovie保存先指定画面

動画の長さや解像度、Macの性能によっては、書き出しに数分から数時間かかる場合があります。書き出し中は他の重い作業を控え、完了するまで待ちましょう。

5. 書き出し後の再生確認

書き出しが完了したら、指定した保存場所にMP4ファイルが作成されていることを確認し、ダブルクリックして再生してみましょう。意図した画質や音声で再生されるか、途中で途切れたりしないかなどをチェックしてください。MacではQuickTime Playerなどで問題なく再生できます。

再生確認画面

【徹底比較】MP4とMOV、どちらを選ぶべき?

iMovieで動画を書き出す際、MP4とMOVのどちらの形式を選ぶべきか迷うことがあるかもしれません。それぞれの特徴を理解し、用途に合わせて使い分けましょう。

項目 MP4形式 MOV形式(ProRes)
互換性 国際標準形式で、Windows、Android、各種SNS、Webサイトなど、ほとんどのデバイスやプラットフォームで再生可能。 Appleが開発した形式で、MacやiOSデバイスとの相性が良い。Windowsでは専用のプレイヤーやコーデックが必要な場合がある。
ファイルサイズ H.264/H.265などの高圧縮コーデックに対応し、ファイルサイズを小さく抑えられる。オンライン共有やストレージ節約に有利。 高品質を維持するため、MP4よりもファイルサイズが大きくなる傾向がある。
画質 高画質を維持しつつ効率的に圧縮できる。ファイル形式自体が画質を決定するわけではなく、コーデックに依存する。 非圧縮またはほぼ非圧縮で、最高の画質と音質を保持できる。プロの編集作業に適している。
主な用途 YouTube、SNS投稿、Webサイト埋め込み、一般的な共有、デバイスでの再生。 Final Cut Proなどでの再編集、プロフェッショナルな映像制作、アーカイブ。
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特別な理由がない限り、汎用性の高いMP4形式での書き出しをおすすめします。特に結婚式のオープニングムービーをゲストに共有したり、式場で再生したりする場合は、MP4が最もトラブルが少ないでしょう。

iMovieでMP4書き出しを最適化する詳細設定

iMovieの書き出し設定には、さらに動画の品質やファイルサイズを細かく調整できるオプションがあります。これらを活用することで、より目的に合ったMP4ファイルを作成できます。

カスタム設定でビットレートを調整する

「品質」の項目で「カスタム」を選択すると、スライダをドラッグしてビットレートを手動で設定できます。ビットレートは1秒間あたりのデータ量を指し、数値が高いほど画質は向上しますが、ファイルサイズも大きくなります。用途に応じて最適なビットレートを見つけることが、画質と容量のバランスを取る上で重要です。

「セグメンテーションの書き出しを許可」で高速化

macOS Sonoma以降、およびApple M1チップ以降を搭載したMacでは、書き出し設定ダイアログに「セグメンテーションの書き出しを許可」というチェックボックスが表示される場合があります。このオプションを選択すると、約3分以上のプロジェクトの書き出しが高速化されます。ビデオのセグメントが、同時処理のために利用可能なメディアエンジンに送信されるため、書き出し時間が短縮される可能性があります。

ファイルサイズを抑えるためのヒント

MP4形式は効率的な圧縮が可能ですが、それでもファイルサイズが大きすぎると感じる場合は、以下の点を考慮してみてください。

  • 解像度を下げる:1080pではなく720pで書き出すことで、ファイルサイズを大幅に削減できます。
  • 品質設定を下げる:「高」から「中」や「低」に設定することで、ファイルサイズを小さくできます。ただし、画質が低下するため、バランスが重要です。
  • 不要なクリップを削除する:プロジェクト内の未使用クリップや、最終的に使わない部分を事前に削除しておくことで、書き出しに必要なデータ量を減らせます。

結婚式のオープニングムービーなど、高画質が求められる場合は「高」または「カスタム」でビットレートを調整し、SNS投稿用などファイルサイズを重視する場合は「中」や「低」を試すなど、使い分けが肝心です。

iPhone/iPad版iMovieでのMP4書き出しについて

iPhoneやiPadのiMovieでも動画の書き出しは可能ですが、Mac版とは異なり、通常はMOV形式で保存されます。

もしiPhone/iPadで作成した動画をMP4形式で利用したい場合は、一度MOV形式で書き出した後、Macに転送してiMovie(Mac版)で読み込み直し、上記の手順でMP4として書き出すか、またはHandBrake、VideoProc Converter、Wondershare UniConverterなどの別途動画変換ツールを利用する必要があります。

iMovieでの動画書き出し方法全般について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

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iMovieでの動画書き出しは通常スムーズに行えますが、時にはエラーが発生したり、異常に時間がかかったりすることがあります。ここでは、よくある原因とその対処法を解説します。

よくある原因と対処法

原因 対処法
ストレージ容量不足 動画の書き出しには、元のプロジェクトファイルとは別に、完成した動画を保存するための十分な空き容量が必要です。特に高画質な動画ほど多くの容量を消費します。Macのディスク空き容量を確認し、不足している場合は不要なファイルやアプリケーションを削除するか、外付けHDD/SSDにデータを移動して空き容量を確保しましょう。iMovieのキャッシュファイルやレンダーファイルを削除するのも有効です。
MacのPCスペック不足/他のアプリの起動 古いMacや、同時に多くのアプリケーションを起動している場合、iMovieの書き出し処理が遅くなったり、フリーズしたりすることがあります。書き出し中は他の重い作業を避け、不要なアプリは閉じるようにしましょう。
プロジェクトやメディアファイルの破損 プロジェクト内の特定のクリップやメディアファイルが破損していると、書き出しが失敗する原因になります。問題のあるクリップを特定し、削除するか、再インポートを試みてください。
iMovieのバージョンが古い/不具合 iMovieやmacOSのバージョンが古いと、最新の形式に対応できなかったり、予期せぬ不具合が発生したりすることがあります。iMovieとmacOSを最新バージョンにアップデートしてみましょう。
ファイル名に特殊文字が含まれている プロジェクト名や書き出しファイル名に「.(ドット)」や「/(スラッシュ)」などの特殊文字が含まれていると、エラーの原因となることがあります。シンプルな英数字のファイル名に変更してみてください。
1080p書き出しができない場合 元の動画ファイルの解像度が低い場合、iMovieで編集しても1080pなどの高解像度で書き出すことはできません。高画質で書き出したい場合は、あらかじめ4K/1080pなどの高画質で撮影されたデータを使用する必要があります。
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書き出しエラーが発生した際は、まずはMacの空き容量を確認し、iMovieを再起動してみるのが基本的な対処法です。それでも解決しない場合は、上記リストを参考に一つずつ原因を探ってみましょう。

MP4書き出し後の活用とさらなるステップ

iMovieでMP4形式の動画を書き出せたら、その活用方法は無限大です。

SNSや動画共有サイトへのアップロード

MP4はYouTube、Vimeo、Facebook、Instagramなど、主要な動画共有サイトやSNSで推奨されている形式です。書き出したMP4ファイルをそのままアップロードできるため、互換性の心配がほとんどありません。

外部変換ツールの活用

もしiMovieでの書き出しがうまくいかない場合や、MOV形式のファイルをMP4に変換したい場合は、HandBrake、VideoProc Converter、Wondershare UniConverterなどの外部動画変換ツールを利用することも可能です。これらのツールは、より詳細な設定や、様々な形式への変換に対応しています。

結婚式のオープニングムービーを低予算で高品質に制作したい方は、iMovie以外の無料・低価格の編集ツールも検討してみましょう。また、iMovieで作成した動画をDVDに焼きたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

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まとめ

iMovieからMP4形式で動画を書き出すことは、Macユーザーにとって非常に重要なスキルです。直接「MP4」という選択肢がないため最初は戸惑うかもしれませんが、「ファイル」共有オプションと「品質」設定を適切に選ぶことで、簡単に汎用性の高いMP4ファイルを作成できます。

本記事で解説した手順とポイントを押さえれば、画質とファイルサイズのバランスを最適化し、様々なデバイスやプラットフォームでスムーズに再生できる動画を書き出せるようになるでしょう。もし書き出し時に問題が発生しても、ストレージ容量の確認やiMovieの再起動、設定の見直しなど、適切なトラブルシューティングを行うことで解決できるケースがほとんどです。

iMovieを使いこなし、あなたのクリエイティブな動画を世界に発信してください。

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