iPhoneやiPadで撮影した大切な写真や動画を、MacのiMovieで編集したいと考える方は多いでしょう。iMovieはApple製品に標準搭載されている無料の動画編集アプリで、直感的な操作性から初心者でも手軽にプロのような動画を作成できるのが魅力です。しかし、いざ素材を取り込もうとすると、どの方法が最適なのか、あるいは途中でつまずいてしまうこともあるかもしれません。
この記事では、iPhoneやiPadからiMovie(Mac版)へ写真や動画素材をスムーズに取り込むためのあらゆる方法を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。Lightningケーブルを使った直接接続から、iCloud写真、AirDropといった便利なワイヤレス連携、さらにはMacの「写真」アプリからの取り込みまで、それぞれのメリット・デメリットや具体的な手順、よくあるトラブルとその解決策まで網羅しています。あなたのクリエイティブな動画制作を強力にサポートするため、ぜひ最後までお読みください。
1. iMovieへの素材取り込み、なぜ重要?最適な方法を選ぶポイント
動画編集において、高品質な素材をスムーズに取り込むことは、その後の作業効率と最終的な作品のクオリティを大きく左右します。iPhoneやiPadで撮影した写真や動画は、手軽に高画質な素材を確保できるため、iMovieでの編集に非常に適しています。
しかし、取り込み方法にはいくつか種類があり、それぞれに特徴があります。あなたの状況に合わせた最適な方法を選ぶことで、無駄な時間を省き、よりクリエイティブな作業に集中できるようになります。
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1.1. 各取り込み方法の比較表
まずは、主要な取り込み方法のメリット・デメリットを比較してみましょう。
方法 | メリット | デメリット | 推奨シーン |
---|---|---|---|
Lightningケーブル接続 | 最も確実で安定した転送。大容量ファイルも高速。Wi-Fi環境不要。 | ケーブルが必要。デバイスの接続・解除の手間。 | 4K動画など大容量・高画質素材の確実な取り込み。Wi-Fi環境が不安定な場合。 |
iCloud写真 | 自動同期で手間いらず。すべてのAppleデバイスでアクセス可能。 | iCloudストレージ容量を消費。初回同期に時間がかかる場合がある。 | 日常的に多くの写真・動画を撮影し、デバイス間でシームレスに連携したい場合。 |
AirDrop | ワイヤレスで手軽に転送。設定が簡単。 | 大量のファイル転送には不向き。デバイスが近くにある必要あり。 | 数枚の写真や短い動画クリップをサッと転送したい場合。 |
Macの「写真」アプリ | Macに既に保存されている素材を直接利用。 | iPhone/iPadからの同期が必要。 | iPhone/iPadからMacの「写真」アプリに既に同期済みの素材を編集する場合。 |
1.2. あなたの状況に合わせた最適な方法の選び方
- 大容量の4K動画や長尺動画を頻繁に編集するなら:
「Lightningケーブル接続」が最も安定しており、高速な転送が可能です。Wi-Fi環境に左右されないため、確実性を求める場合に最適です。
- 日常的にiPhone/iPadで撮影し、Macでも手軽に編集したいなら:
「iCloud写真」の利用が断然おすすめです。一度設定すれば、自動的にすべてのデバイスで写真や動画が同期されるため、手動での取り込み作業がほとんど不要になります。ただし、iCloudストレージの容量には注意が必要です。
- 特定の写真や短い動画クリップをサッとiMovieに送りたいなら:
「AirDrop」が最も手軽で素早い方法です。ケーブル接続の手間もなく、ワイヤレスで瞬時に転送できます。
- 既にMacの「写真」アプリに素材が整理されているなら:
「Macの「写真」アプリ」から直接iMovieにドラッグ&ドロップするのが最も効率的です。
2. Lightningケーブルを使った確実な取り込み方法(Mac向け)
iPhoneやiPadとMacをLightningケーブルで直接接続する方法は、最も確実で安定した素材取り込み方法の一つです。特に大容量の動画ファイルを取り込む際に威力を発揮します。
2.1. iPhone/iPad側の準備とMacへの接続
まず、iPhoneまたはiPadをLightningケーブルでMacに接続します。この際、iPhoneやiPadのロックを解除し、「このコンピュータを信頼しますか?」と表示された場合は「信頼」をタップしてください。この「信頼」の操作を忘れると、Macがデバイスを認識できません。
Macに接続すると、iTunesや写真アプリ、イメージキャプチャなどが自動的に起動し、同期作業が始まることがあります。iMovieでの読み込みをスムーズに行うため、これらの同期作業が一旦終了するまで待つか、事前に終了させておくことをおすすめします。これにより、iMovieがデバイスを正しく認識しやすくなります。

ケーブル接続は、Wi-Fi環境に左右されず、大容量のデータも安定して転送できるのが最大のメリットです。特に4K動画など高画質素材を扱う場合はこの方法がおすすめです。
2.2. iMovieでの読み込み画面表示
iPhoneやiPadがMacに接続されたら、iMovieを起動します。iMovieのメニューバーから「ファイル」>「メディアを読み込む」を選択するか、ツールバーの「読み込む」ボタン(下向き矢印のアイコン)をクリックして、素材の読み込み画面を表示します。
サイドバーの「カメラ」セクションに、接続されているiPhoneやiPadが表示されます。表示されたリストの中から、素材を取り込みたいデバイスを選択してください。
2.3. 読み込み先のライブラリ(イベント)を指定
読み込み画面の右側にある「読み込み先」のドロップダウンメニューから、素材を保存したいiMovieライブラリとイベントを選択します。既存のイベントに追加することも、新しいイベントを作成してそこに読み込むことも可能です。
新しいイベントとして取り込みたい場合は、「新規イベント」を選択し、任意のイベント名を入力してください。入力したイベント名で新しい素材ライブラリが作成され、そこに素材が整理されます。

iMovieのライブラリとイベントを適切に管理することは、後々の編集作業の効率を大きく左右します。プロジェクトごとにイベントを分けるなど、自分なりのルールを決めておくと良いでしょう。
2.4. 読み込む写真・動画素材の選択と実行
読み込み画面には、iPhoneやiPad内の写真や動画がサムネイル表示されます。個別に選択して読み込むことも、複数の素材をまとめて選択して読み込むことも可能です。
複数の素材を同時に選択する場合は、キーボードの「Shift」キーを押しながら連続する項目をクリックするか、「Command」キーを押しながら飛び飛びの項目をクリックして選択します。
選択が完了したら、画面右下にある「選択した項目を読み込む」ボタンをクリックして、素材の取り込みを開始します。読み込みが完了すると、iMovieのイベントブラウザに素材が表示され、すぐに編集を始めることができます。
3. iCloud写真を使ったシームレスな連携(Mac/iOS共通)
iCloud写真を利用すると、iPhoneやiPadで撮影した写真や動画が自動的にiCloudにアップロードされ、Macを含むすべてのAppleデバイスでアクセスできるようになります。これは、特にワイヤレスで手軽に素材を取り込みたい場合に非常に便利な方法です。
3.1. iCloud写真の設定確認と注意点
iCloud写真を利用するには、以下の設定が重要です。
- 同じApple IDを使用: iPhone、iPad、Macのすべてで同じApple IDでサインインしている必要があります。
- iCloud写真の有効化: 各デバイスの「設定」>「[自分の名前]」>「iCloud」>「写真」で「iCloud写真」がオンになっていることを確認してください。
iCloud写真がオンになっている場合、Finderを使ってMacから写真やビデオクリップを転送することはできません。iCloud経由での同期が推奨されます。
3.2. iMovieでのアクセス方法
iCloud写真が設定されていれば、iMovieから直接写真や動画にアクセスできます。
- Mac版iMovie: iMovieのサイドバーにある「ライブラリ」セクションの「写真」をクリックすると、写真アプリ内のデータ(iCloud写真と同期されたものを含む)が表示されます。ここから必要な素材をiMovieのイベントにドラッグ&ドロップして使用できます。
- iOS版iMovie: iPhoneやiPadのiMovieアプリでプロジェクトを開き、メディアブラウザから「写真」を選択すると、iCloud写真に保存されている写真や動画にアクセスできます。一部のメディアはiCloudにのみ保存されている場合があるため、必要に応じて「ダウンロード」ボタンをタップしてデバイスにダウンロードしてください。

iCloud写真は非常に便利ですが、iCloudストレージの容量を消費します。高画質動画を大量に扱う場合は、ストレージプランの見直しも検討しましょう。また、デバイス間のiMovieのバージョンが同じであると、よりスムーズに連携できます。
4. AirDropを活用した手軽な転送(Mac/iOS共通)
AirDropは、近くにあるAppleデバイス間で写真や動画などのファイルをワイヤレスで素早く共有できる機能です。少量または特定の素材をサッとiMovieに取り込みたい場合に非常に便利です。
4.1. AirDropの有効化と使い方
AirDropを使用するには、送受信する両方のデバイスでWi-FiとBluetoothがオンになっていること、そしてAirDropの受信設定が「連絡先のみ」または「すべての人」になっていることを確認してください。
- iPhone/iPadからMacへ:
- iPhoneまたはiPadの「写真」アプリで、iMovieに取り込みたい写真や動画を選択します。
- 「共有」ボタン(四角から上向き矢印が出ているアイコン)をタップします。
- AirDropの項目に表示されるMacのアイコンをタップします。
- Mac側で受信の通知が表示されるので、「受け入れる」をクリックします。
AirDropで受信したファイルは、通常Macの「ダウンロード」フォルダに保存されます。
4.2. Macのダウンロードフォルダからの読み込み
AirDropでMacに転送された写真や動画は、MacのFinderから「ダウンロード」フォルダを開いて確認できます。これらのファイルをiMovieに読み込むには、以下のいずれかの方法で行います。
- ドラッグ&ドロップ: ダウンロードフォルダからiMovieのイベントブラウザやタイムラインに直接ドラッグ&ドロップします。
- メディアの読み込み: iMovieの「ファイル」>「メディアを読み込む」から、ダウンロードフォルダ内のファイルを選択して読み込みます。

AirDropは手軽ですが、一度に大量のファイルを転送するのには向いていません。数枚の写真や短い動画クリップをサッと送りたいときに活用しましょう。
5. Macの「写真」アプリからの読み込み
Macの「写真」アプリで管理している写真や動画をiMovieに取り込むことも可能です。特に、iPhoneやiPadから既にMacの「写真」アプリに同期されている素材を編集したい場合に便利です。
5.1. 写真アプリから直接iMovieへドラッグ&ドロップ
「写真」アプリから直接iMovieに素材を読み込む最も簡単な方法は、ドラッグ&ドロップです。
- iMovieと「写真」アプリの両方を開き、画面を並べて表示します。
- 「写真」アプリで、iMovieに取り込みたい写真や動画を選択します。
- 選択した素材をiMovieのイベントブラウザまたはタイムラインに直接ドラッグ&ドロップします。
「写真」アプリのライブラリがiMovieに表示されない場合は、Macの「写真」アプリを起動する際にOptionキーを押しながら開き、使用したいライブラリを「システムフォトライブラリとして使用」に設定し直すと解決することがあります。
5.2. 写真アプリから書き出す方法(必要な場合)
iMovieに直接ドラッグ&ドロップできない場合や、特定の形式で書き出したい場合は、「写真」アプリから一度ファイルを書き出すことができます。
- Macの「写真」アプリを開き、iMovieで使いたい写真や動画を選択します。
- メニューバーから「ファイル」>「書き出す」>「[項目数]枚の写真を書き出す」または「[項目数]個のビデオを書き出す」を選択します。
- 書き出しオプション(ファイル形式、品質など)を設定し、保存先(デスクトップなど)を指定して書き出します。
6. iMovieへの素材取り込みでよくあるトラブルと解決策
iMovieへの素材取り込みは通常スムーズに行えますが、時には予期せぬ問題が発生することもあります。ここでは、よくあるトラブルとその解決策をご紹介します。
6.1. iPhone/iPadが認識されない
Lightningケーブルで接続してもiMovieにiPhoneやiPadが表示されない場合、以下の点を確認してください。
- ケーブルの確認: 別のLightningケーブルを試すか、ケーブルが損傷していないか確認します。
- デバイスの再起動: iPhone/iPadとMacの両方を再起動してみます。
- 信頼の確認: iPhone/iPadで「このコンピュータを信頼しますか?」のポップアップが表示されたら「信頼」をタップしているか確認します。
- 他のアプリの終了: iTunesや写真アプリ、イメージキャプチャなど、デバイスと同期する可能性のある他のアプリを完全に終了させてからiMovieを起動します。
- USBポートの変更: 別のUSBポートに接続してみます。
6.2. 写真や動画が表示されない・読み込めない
iMovieの読み込み画面に写真や動画が表示されない、または読み込みエラーが発生する場合、以下の原因が考えられます。
原因 | 解決策 |
---|---|
システムフォトライブラリの設定 | Macの「写真」アプリで、使用したいライブラリが「システムフォトライブラリとして使用」に設定されているか確認します。設定されていない場合は、Optionキーを押しながら「写真」アプリを起動し、対象のライブラリを選択して「システムフォトライブラリとして使用」をクリックします。 |
ファイル形式の非対応(HEIC/HEVCなど) | iPhone 7以降の機種で撮影された写真(HEIC形式)や動画(HEVC形式)は、高圧縮で高画質ですが、古いiMovieバージョンでは互換性の問題が生じることがあります。 iMovieがサポートしていない動画形式(例: 一部の古いコーデック)や、写真の解像度が高すぎる(例: 4K 60fpsを超える)場合もあります。 必要に応じて、別の変換ツールでiMovieが対応する形式(MP4, MOV, JPEGなど)に変換するか、解像度を下げてから取り込みます。 |
iMovieのバージョンが古い | iMovieのバージョンが古いと、最新のiOSデバイスで撮影された新しい形式の動画や写真に対応していないことがあります。iMovieを最新バージョンにアップデートしてください。特にHEVC形式のビデオはiMovie 10.1.7以降でサポートされています。 |
ファイル破損 | ごく稀に、写真や動画ファイル自体が破損している場合があります。 元のデバイスで再生できるか確認し、可能であれば別のコピーを作成して試します。 |

特にiPhoneで「HEIC」形式の写真や「HEVC」形式の動画を撮影している場合、古いiMovieバージョンでは互換性の問題が生じることがあります。最新版へのアップデートが最も確実な解決策です。
6.3. 読み込みが遅い・途中で止まる
読み込みに時間がかかったり、途中でフリーズしたりする場合は、以下の点を考慮してください。
- Macのストレージ容量: Macの空きストレージが不足していると、読み込みが遅くなったり失敗したりします。十分な空き容量を確保してください。
- Macのスペック: 特に4K動画など高解像度の素材を扱う場合、MacのCPUやメモリ、グラフィック性能が不足していると処理が重くなります。
- 素材の量: 一度に大量の素材を読み込もうとすると時間がかかります。少量ずつ読み込むか、夜間など時間がある時にまとめて行うことを検討しましょう。
- iMovieの初期設定ファイル: 稀にiMovieの初期設定ファイルが破損していることで読み込みが止まることがあります。iMovieを終了した状態で、Finderメニューの「移動」>「ライブラリ」(Optionキーを押しながら表示)>「Preferences」フォルダ内の「com.apple.iMovieApp.plist」ファイルを削除し、iMovieを再起動してみてください。
7. 効率的な動画編集のための素材管理のヒント
iMovieでの動画編集をスムーズに進めるためには、素材の取り込みだけでなく、その後の管理も非常に重要です。
- 事前に整理する重要性:
iMovieに取り込む前に、iPhoneやiPadの「写真」アプリで不要な写真や動画を削除し、必要なものだけをアルバムにまとめておくと、iMovieでの選択作業が格段に楽になります。撮影時に「これは動画素材」「これは写真素材」と意識して整理する習慣をつけるのも良いでしょう。
- iMovieライブラリとイベントの理解と管理:
iMovieは「ライブラリ」という単位でプロジェクトやイベント、素材を管理します。複数のプロジェクトを扱う場合や、Macのストレージを節約したい場合は、外部ストレージにライブラリを保存することも検討しましょう。イベントをプロジェクトごとに分ける、日付やテーマで整理するなど、自分なりのルールを決めておくことで、後から素材を探す手間が省け、編集作業が効率化されます。
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Macに保存済みの動画や写真ファイルからの読み込みも可能です。他のデバイスから転送済みの場合や、ダウンロードした素材を使用する場合に便利です。

まとめ
iPhoneやiPadで撮影した写真や動画をiMovie(Mac版)に取り込む方法は、Lightningケーブル接続、iCloud写真、AirDrop、そしてMacの「写真」アプリからの読み込みと多岐にわたります。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、あなたの状況や素材の量、求める手軽さや安定性に応じて最適な選択をすることが、スムーズな動画編集への第一歩となります。特に、大容量の素材にはケーブル接続、日常的なシームレスな連携にはiCloud写真、手軽な転送にはAirDropがそれぞれ強みを発揮します。
また、取り込み時に発生しがちなトラブル(デバイスの認識、ファイル形式の互換性、読み込み速度など)についても、本記事で解説した解決策を試すことで、多くの問題は解消できるはずです。最新のiMovieバージョンを使用し、HEIC/HEVC形式への対応を確認することも重要です。
素材の取り込みだけでなく、iMovieライブラリやイベントを適切に管理することで、動画編集のワークフロー全体が効率化され、よりクリエイティブな作品制作に集中できるようになります。この記事が、あなたのiMovieでの動画制作を強力にサポートし、素晴らしい作品が生まれる一助となれば幸いです。