Macで動画編集を始める際、iMovieは直感的で強力な無料ツールです。しかし、その第一歩となる動画や写真などのメディア素材の読み込みでつまずいてしまう方も少なくありません。iMovieには、MacのFinderから直接読み込む方法、写真アプリ経由、SDカードやiPhone/iPadなどのデバイスから直接取り込む方法など、様々なアプローチがあります。
このガイドでは、iMovieに動画や写真をスムーズに読み込むためのあらゆる方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。さらに、読み込み時のよくあるトラブルとその解決策、そして効率的なメディア管理のヒントまで網羅しています。この記事を読めば、あなたのiMovieでの動画編集がより快適で、クリエイティブなものになるでしょう。
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iMovieの素材読み込みと管理
「iMovieの素材読み込みと管理」に関連する記事の一覧です。
1. iMovieへのメディア読み込みの基本とファイル管理の仕組み
iMovieで動画編集を始めるには、まず素材となるメディアファイルを読み込む必要があります。iMovieのインターフェースはシンプルですが、その裏側にあるファイル管理の仕組みを理解しておくと、より効率的に作業を進めることができます。
「メディアを読み込む」ボタンの活用
iMovieのツールバーにある「メディアを読み込む」ボタン(下向き矢印のアイコン)は、様々なソースからファイルを取り込むための入り口です。このボタンをクリックすると、Macに接続されているデバイスや、Mac内のフォルダ、写真ライブラリなどが表示され、そこから必要なファイルを選択してiMovieに取り込むことができます。
iMovieのファイル管理構造:ライブラリとイベントの理解
iMovieでは、読み込んだメディアは「ライブラリ」と「イベント」という単位で管理されます。これらを理解することは、素材を整理し、後から見つけやすくするために非常に重要です。
ライブラリとは
「ライブラリ」は、iMovieで扱う全てのメディアファイル(動画、写真、オーディオ)とプロジェクトを管理する大元の箱です。通常、Macの「ムービー」フォルダ内に「iMovieライブラリ.imovielibrary」というファイルとして保存されています。複数のライブラリを作成し、用途別に使い分けることも可能です。
イベントとは
「イベント」は、ライブラリの中に作成される、特定の期間やテーマでまとめられたメディアのグループです。例えば、「2024年 夏休み旅行」や「結婚式準備」といった形でイベントを作成し、関連する動画や写真をまとめて管理できます。メディアをiMovieに読み込む際には、必ずどのイベントに保存するかを指定する必要があります。
プロジェクトとの関係性
「プロジェクト」は、実際に動画編集を行う作業スペースです。イベント内のメディアを使って、タイムライン上でクリップを並べたり、エフェクトを加えたりして一つの作品を作り上げていきます。つまり、ライブラリが素材の倉庫、イベントがその倉庫内の棚、プロジェクトが実際の作業台、と考えると分かりやすいでしょう。

ライブラリとイベントを適切に使い分けることで、大量のメディア素材も迷子にならず、効率的に目的のファイルを見つけ出すことができます。特に複数のプロジェクトを並行して進める場合は、ライブラリを分けて管理するのがおすすめです。
2. 主要なメディア読み込み方法を徹底解説
ここでは、iMovieに動画や写真を読み込むための具体的な手順を、主要な方法ごとに詳しく解説します。
2.1. MacのFinderや外部ストレージ(SDカードなど)から読み込む
MacのFinderに表示されているファイルや、SDカード、外付けHDDなどの外部ストレージに保存されているファイルをiMovieに読み込む最も一般的な方法です。
ステップ1: 「メディアを読み込む」ボタンをクリック
iMovieを開き、ツールバーにある下向き矢印のアイコン「メディアを読み込む」ボタンをクリックします。
ステップ2: デバイスや場所を選択
開いた「読み込む」ウインドウのサイドバーから、読み込みたいファイルが保存されている場所を選択します。SDカードが挿入されていればそのカードが、Mac内のファイルであれば「Macintosh HD」などのハードディスクやSSDが選択肢として表示されます。
ステップ3: 読み込み先のイベントを指定
iMovieに素材を読み込む際は、必ず読み込み先の「イベント」を指定する必要があります。「読み込み先」ポップアップメニューから既存のイベントを選択するか、「新規イベント」をクリックして新しいイベントを作成し、任意の名前をつけましょう。
ステップ4: 読み込むファイルを選択し、実行
表示されたファイルの一覧から、読み込みたい動画や写真を選択します。複数のファイルを同時に選択する場合は、Shift
キーを押しながらクリック(連続したファイル)するか、Command
キーを押しながらクリック(飛び飛びのファイル)します。選択後、「選択した項目を読み込む」をクリックすると、iMovieにファイルが取り込まれます。
この方法は、すでにMacや外部ストレージに保存されているファイルをiMovieに取り込む際に最も一般的で手軽です。特にSDカードから直接読み込む場合、カメラの機種によってはiMovieが自動的に認識し、読み込みを促すこともあります。
ドラッグ&ドロップでの読み込み(手軽な方法)
Finderから直接iMovieのイベント領域やタイムラインに動画や写真ファイルをドラッグ&ドロップすることでも、簡単に読み込みが可能です。この方法は、特に少数のファイルを素早く取り込みたい場合に便利です。

ドラッグ&ドロップは非常に便利ですが、大量のファイルを一度に読み込む場合や、読み込み先のイベントを細かく指定したい場合は、「メディアを読み込む」ボタンからの手順を踏む方が確実です。
2.2. 写真アプリ(写真ライブラリ)から読み込む
Macの「写真」アプリで管理している写真や動画も、iMovieに簡単に読み込むことができます。
- iMovieを開き、サイドバーの「ライブラリ」リストにある「写真」をクリックします。
- ブラウザの上部にあるポップアップメニューから、読み込みたい写真や動画が保存されているライブラリを選択します。
- 表示された写真や動画の中から、iMovieに取り込みたい項目を選択し、「選択した項目を読み込む」をクリックします。
iCloud写真を利用している場合、iCloudに保存されているメディアもiMovieからアクセス可能です。ただし、デバイスにダウンロードされていないメディアは、読み込み前にダウンロードが必要になる場合があります。

iCloud写真を使用している場合、Finder経由での写真やビデオの転送はできませんので注意が必要です。iMovieから直接アクセスするか、AirDropなどの方法を利用しましょう。
2.3. iPhone/iPadやデジタルカメラから直接読み込む
iPhoneやiPad、デジタルカメラをMacに接続し、iMovieから直接メディアを読み込むことも可能です。
- iPhone/iPadまたはデジタルカメラをUSBケーブルでMacに接続します。
- iMovieを起動し、「メディアを読み込む」ボタンをクリックします。
- 「読み込む」ウインドウのサイドバーの「カメラ」セクションに、接続したデバイスが表示されます。デバイスを選択すると、その中のメディアが表示されます。
- 読み込みたいメディアを選択し、読み込み先のイベントを指定して「選択した項目を読み込む」をクリックします。

デバイスを接続してもiMovieに認識されない場合は、一度デバイスの電源を入れ直したり、Macを再起動したりすると解決することがあります。また、他の写真管理アプリが自動起動しないよう、事前に終了させておくのもポイントです。
2.4. Macの内蔵カメラ(FaceTime HDカメラ)で直接録画して読み込む
Macに内蔵されているFaceTime HDカメラを使って、iMovie内で直接ビデオを録画し、そのままプロジェクトに読み込むこともできます。
- iMovieを開き、ツールバーの「メディアを読み込む」ボタンをクリックします。
- 「読み込む」ウインドウのサイドバーの「カメラ」セクションで、内蔵カメラを選択します。
- ライブビデオイメージが表示されたら、録画先のイベントを指定し、ライブビデオイメージの下にある「読み込む」ボタンをクリックして録画を開始します。
- 録画を停止するには、再度「読み込む」ボタンをクリックします。録画されたクリップは指定したイベントに自動的に追加されます。
3. iMovieが対応するファイル形式と非対応の場合の対処法
iMovieは多くの一般的な動画・写真ファイル形式に対応していますが、中にはそのままでは読み込めない形式もあります。事前に対応形式を把握し、必要に応じて変換することで、スムーズな作業が可能です。
iMovieがサポートする主な動画・写真ファイル形式
iMovieは、MPEG-4(MP4)、MOV(QuickTime形式)、AVCHD、M4V、3GP、AVIなどの動画形式、そしてJPEG、PNG、TIFF、GIF、BMPなどの写真形式に対応しています。
一般的に、iPhoneやデジタルカメラで撮影された動画や写真は、ほとんどの場合iMovieで問題なく読み込めます。しかし、一部の特殊なカメラや古い形式のファイルでは、互換性の問題が生じることがあります。
非対応ファイル形式の場合:変換ソフトの活用
もしiMovieがファイルを読み込めない場合、その原因はファイル形式やコーデックの互換性にある可能性が高いです。このような場合は、動画変換ソフトを使ってiMovieが対応する形式に変換する必要があります。
代表的な対応形式を以下に示します。
カテゴリ | 主な対応形式 | 備考 |
---|---|---|
動画 | MP4, MOV, M4V, AVCHD, MPEG-4, QuickTime, DV&HDV, 3GP, AVI | 一部のコーデックは非対応の場合あり |
写真 | JPEG, PNG, TIFF, GIF, BMP | 高解像度すぎる写真は読み込めない場合あり |
音声 | AAC, MP3, WAV |

ファイル形式の変換には、Wondershare FilmoraやVideoProc Converterなどの専門の動画変換ソフトが役立ちます。これらのソフトは、変換だけでなく基本的な編集機能も備えていることが多いので、一つ持っておくと便利です。
写真のサイズが大きすぎる場合の対処法
iMovieは、4,000ピクセル以上の高解像度な写真をそのまま読み込めない場合があります。その際は、写真編集ソフトやアプリを使って、iMovieに取り込む前に写真の解像度や品質を少し落とすことで、問題なく読み込めるようになります。
4. 読み込み時のよくあるトラブルと解決策
iMovieへのメディア読み込みは通常スムーズに行えますが、時には予期せぬ問題が発生することもあります。ここでは、よくあるトラブルとその解決策を紹介します。
「カメラが見つかりません」エラー
一度読み込みが完了したはずの動画が、iMovieを再起動すると「カメラが見つかりません」と表示され、再生できなくなることがあります。これは、元のファイルが移動されたり、iMovieライブラリとのリンクが切れたりした場合に発生しやすいエラーです。
解決策:
- 元のファイルが保存されている場所を確認し、移動していないか、削除されていないかを確認します。
- iMovieライブラリのパッケージ内容を表示し、Original Mediaフォルダ内にファイルが存在するか確認します。存在しない場合は、読み込みが失敗している可能性があります。
- 元のファイルを再度iMovieに読み込み直すか、Finderから直接iMovieのイベント領域にドラッグ&ドロップしてみます。
- iMovieのライブラリが破損している可能性もあるため、iMovieを再インストールする前に、ライブラリのバックアップを取ってから試すことも検討します。
iMovieが起動しない、フリーズする
iMovieが起動中にフリーズしたり、メディアの読み込み中に応答しなくなったりする場合があります。
解決策:
- Macの再起動: まずはMacを再起動してみます。一時的なシステムの問題であればこれで解決することが多いです。
- 外部デバイスの取り外し: 接続している不要な外部デバイス(USBハブ、外付けHDDなど)をすべて取り外してからiMovieを起動してみます。
- iMovieのリセット: iMovieの環境設定ファイルをリセットすることで、問題が解決する場合があります。これはライブラリには影響しません。
- iMovieの再インストール: 上記で解決しない場合、iMovieを一度削除し、App Storeから再ダウンロードしてインストールし直します。この際も、既存のライブラリは影響を受けません。
- 新しいユーザーアカウントで試す: 特定のユーザーアカウントでのみ問題が発生する場合、新しいユーザーアカウントを作成してiMovieを起動してみると、原因がユーザープロファイルにあるかどうかの切り分けができます。
ディスク容量不足
動画ファイルは容量が大きいため、Macのストレージ容量が不足していると、iMovieへの読み込みができないことがあります。
解決策:
- Macのストレージ容量を確認し、十分な空きがあるか確認します。(「このMacについて」>「ストレージ」で確認できます。)
- 不要なファイルやアプリケーションを削除して、ストレージの空き容量を増やします。
- iMovieのライブラリを外付けHDDなどの大容量ストレージに移動することも検討します。
読み込みが途中で止まる、失敗する
特定のファイルだけが読み込めない、または読み込みが途中で止まってしまう場合は、そのファイル自体に問題がある可能性があります。
解決策:
- ファイルの破損確認: その動画や写真ファイルが、QuickTime Playerやプレビューアプリなど、他のアプリケーションで正常に開けるか確認します。開けない場合はファイルが破損している可能性があります。
- ファイル形式の変換: 前述の通り、iMovieが対応していない形式の可能性があります。変換ソフトで別の形式に変換してから再度読み込みを試します。
- iMovieのアップデート: iMovieのバージョンが古い場合、最新のファイル形式に対応していないことがあります。App StoreからiMovieを最新バージョンにアップデートしてみましょう。

トラブルが発生した際は、焦らずに一つずつ原因を切り分けていくことが重要です。まずはMacの再起動やiMovieの再起動など、基本的な対処法から試してみてください。それでも解決しない場合は、Appleのサポートコミュニティや公式サポートも活用しましょう。
5. iMovieでのメディア管理と効率的な編集のヒント
メディアをiMovieに読み込んだ後も、効率的な動画編集のためには適切な管理が欠かせません。特に、結婚式ムービーのような長尺のプロジェクトや、YouTube動画のように頻繁に素材を扱う場合は、整理術が重要になります。
イベントとライブラリを効果的に活用する整理術
iMovieの「イベント」と「ライブラリ」機能を最大限に活用することで、素材の整理が格段に楽になります。
- プロジェクトごとにライブラリを分ける: 大規模なプロジェクトや、全く異なるテーマの動画を編集する場合は、それぞれ専用のライブラリを作成することをおすすめします。これにより、関連性のない素材が混在するのを防ぎ、iMovieの動作も軽くなることがあります。
- 日付やテーマでイベントを分類する: 各ライブラリ内で、撮影日やイベント内容(例:誕生日、旅行、イベント名など)に応じて細かくイベントを作成し、関連するメディアをそこに読み込みます。これにより、後から特定のシーンを探しやすくなります。
- 不要なクリップは削除する: 読み込んだものの結局使わなかったクリップや、重複しているクリップは、こまめに削除することでライブラリの肥大化を防ぎ、Macのストレージ容量を節約できます。

不要なクリップの削除とストレージの最適化
iMovieは読み込んだメディアをライブラリ内にコピーして保存するため、元のファイルとは別に容量を消費します。そのため、定期的なストレージの最適化が重要です。
例えば、結婚式のオープニングムービーを制作する際、多くの素材を読み込むことになります。最適な長さは3〜5分とされていますが、そのために何十倍もの素材を読み込むことも珍しくありません。
ストレージ最適化のヒント:
- 使用済みメディアの削除: プロジェクトが完成し、書き出しが済んだら、そのプロジェクトで使用したイベントやライブラリを削除することを検討します。ただし、将来的に再編集する可能性がある場合は、外付けHDDなどにバックアップを取ってから削除しましょう。
- 最適化されたメディアの削除: iMovieは編集をスムーズにするために、読み込んだメディアの最適化されたバージョンを作成することがあります。これらのファイルは容量を消費するため、必要に応じて削除できます。(iMovieの環境設定から設定可能です。)
- iMovieライブラリの移動: Macのストレージが不足しがちな場合は、iMovieライブラリ全体を大容量の外付けHDDに移動させることで、Mac本体の空き容量を確保できます。


まとめ
MacのiMovieに動画や写真を読み込む方法は多岐にわたりますが、Finderからのドラッグ&ドロップ、専用の「メディアを読み込む」ボタン、写真アプリからの連携、そしてiPhoneやSDカードなどの外部デバイスからの直接読み込みが主な手段です。それぞれの方法を理解し、ご自身の状況に合わせて使い分けることで、iMovieでの動画編集は格段にスムーズになります。
また、ファイル形式の互換性や、iMovieのライブラリ・イベントといった管理構造を把握しておくことは、トラブルを未然に防ぎ、効率的な作業を進める上で非常に重要です。もし読み込み時に問題が発生しても、本記事で紹介したトラブルシューティングを参考に、落ち着いて対処してください。
これらの知識を身につけることで、あなたはiMovieを最大限に活用し、素晴らしい動画作品を生み出すことができるでしょう。さあ、あなたのクリエイティブな動画編集の旅を始めましょう!