結婚式の感動的な一日を締めくくるエンドロールムービーは、新郎新婦からゲストへ感謝の気持ちを伝える大切な演出です。特に、そこに添えられる挨拶文やメッセージは、ゲストの心に深く刻まれる感動を呼び起こす鍵となります。しかし、「どんな言葉を選べばいいの?」「構成はどうすればいい?」と悩む方も少なくありません。
この記事では、結婚式の映像制作に携わるプロの視点から、エンドロールにふさわしい挨拶文の書き方、心に響くメッセージのコツ、そして避けるべき注意点までを徹底的に解説します。豊富な例文と具体的なアドバイスを通して、お二人の感謝の気持ちが最大限に伝わる、最高のエンディングを創り上げるお手伝いをします。
エンドロールの挨拶文は、単なる形式的なものではなく、お二人の個性と感謝の深さを表現する大切なツールです。この記事を参考に、記憶に残るメッセージを作成しましょう。
1. 結婚式エンドロール挨拶文の基本構成と役割
結婚式のエンドロールムービーは、一般的に「冒頭の挨拶」「ゲストへの個別メッセージ(またはグループメッセージ)」「締めの挨拶」の3つの要素で構成されます。これらの要素をバランス良く配置することで、ゲストに感謝の気持ちを効果的に伝え、感動的な締めくくりを演出できます。
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冒頭の挨拶
エンドロールの冒頭に流れる挨拶文は、ゲストへの感謝の気持ちをシンプルに伝える役割があります。長すぎず、短すぎず、これから始まるエンドロールへの期待感を高めるような言葉を選びましょう。
例文:
- 本日はお忙しい中、私たちの結婚式にご出席いただき、誠にありがとうございます。
- 皆様に祝福され、大変嬉しく思います。
- 今日まで支えてくださった皆様へ心からの感謝を込めて

冒頭の挨拶は、ゲストへの感謝を簡潔に伝えることが大切です。ムービー全体の導入として、温かい言葉を選びましょう。
ゲストへの個別メッセージ(またはグループメッセージ)
エンドロールのメインとなるのが、ゲスト一人ひとり、またはグループに向けたメッセージです。ゲストとの関係性に応じて、パーソナルな言葉を添えることで、より深い感謝の気持ちが伝わります。
ゲストの人数が多い場合は、会社関係、友人、親族など、属性ごとにグループ分けしてメッセージを添えるのが一般的です。
締めの挨拶
エンドロールの最後に流れる締めの挨拶は、結婚式全体の感謝と、これからの二人の未来への抱負を伝える重要なパートです。冒頭の挨拶よりも少し長めに、心からの感謝と決意を込めましょう。
例文:
- 皆様のおかげで、私たちの新しい門出を迎えることができました。これからも温かいご支援をよろしくお願いいたします。
- この日の感動を忘れずに、これから二人で力を合わせて歩んでいきたいと思います。これからも末永く見守っていただけますようお願いいたします。
- 未熟な二人ですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
エンドロール全体の流れと時間配分
エンドロールムービーの理想的な長さは、ゲストの人数にもよりますが、3分から5分程度が目安とされています。 長すぎるとゲストが飽きてしまう可能性があるため、簡潔でわかりやすい文章を心がけ、映像とメッセージのバランスを意識しましょう。
一般的には、冒頭の挨拶(10秒程度)→ゲストの名前とメッセージ(2~4分)→締めの挨拶(30秒~1分程度)という流れがスムーズです。
2. ゲスト別メッセージの書き方と例文
ゲストへのメッセージは、相手との関係性によってトーンや内容を調整することが大切です。ここでは、ゲスト別のメッセージのポイントと例文をご紹介します。
主賓・会社関係者へのメッセージ
主賓や会社関係者へのメッセージは、丁寧で感謝の気持ちが伝わる言葉を選びましょう。具体的なエピソードを添えると、より心に響きます。
例文:
- 〇〇様
ご多忙の中、ご列席いただき誠にありがとうございます。温かいご祝辞に心より感謝申し上げます。 - 〇〇部長
日頃より温かいご指導をいただき、ありがとうございます。これからもご期待に沿えるよう精進いたします。 - 〇〇部の皆様
いつも温かく支えてくださり、ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
友人へのメッセージ(カジュアル・感動系)
友人へのメッセージは、親しみを込めたカジュアルな表現や、これまでの思い出を振り返る感動的な言葉が喜ばれます。
例文(カジュアル):
- 〇〇へ
今日は来てくれて本当にありがとう!最高の思い出ができたよ。これからも変わらず仲良くしてね! - 〇〇、〇〇ちゃん
遠方からありがとう!みんなのおかげで最高の一日になったよ。また近いうちに集まろうね!
例文(感動系):
- 〇〇へ
いつもどんな時も支え、励ましてくれてありがとう。〇〇がいたから、今日この日を迎えることができました。これからも大切な親友でいてください。 - 〇〇、〇〇ちゃん
学生時代からの変わらぬ友情に感謝しています。たくさんの思い出をありがとう。これからも末永くよろしくね。

友人へのメッセージは、具体的なエピソードや共通の思い出を盛り込むと、よりパーソナルで心に残るものになります。
親族・家族へのメッセージ(両親、祖父母、兄弟姉妹など)
親族や家族へのメッセージは、日頃の感謝や、これからの決意を伝える大切な機会です。特に両親へは、育ててくれたことへの感謝を具体的に伝えましょう。
例文(両親へ):
- お父さん、お母さん
今日まで大切に育ててくれて本当にありがとう。二人の子供に生まれて幸せです。これからもどうぞよろしくね。 - お父さん、お母さん
いつも温かく見守り、支えてくれてありがとう。これからは二人で力を合わせ、幸せな家庭を築いていきます。
例文(祖父母へ):
- おじいちゃん、おばあちゃん
いつも優しく見守ってくれてありがとう。これからも元気で長生きしてね。
例文(兄弟姉妹へ):
- 〇〇へ
いつも味方でいてくれてありがとう。これからも頼りにしてるよ!
「Special Thanks」で感謝を伝える相手
招待ゲスト以外にも、結婚式の準備や当日にサポートしてくれた方々へ感謝の気持ちを伝えたい場合は、「Special Thanks」などのセクションを設けるのがおすすめです。
- 結婚式のサポートスタッフ(司会者、カメラマン、ウェディングプランナーなど)
- 準備を手伝ってくれた友人(リングピローやウェルカムボードの作成、余興、受付など)
- 遠方や体調不良などで招待できなかったが、日頃お世話になっている方
「Special Thanks」は、お二人のオリジナリティが光る部分です。具体的なエピソードを添えることで、より感謝の気持ちが伝わります。
故人へのメッセージについて(注意点)
故人の名前をエンドロールに含めるかどうかは、非常にデリケートな問題です。故人を偲びたい気持ちは理解できますが、ゲストの中には複雑な感情を抱く方もいるかもしれません。含める場合は、故人へのメッセージを添えたり、特別なセクションを設けたりするなど、慎重な配慮が必要です。必ず家族とよく相談し、全員が納得できる形で決めることが大切です。
3. 感動を呼ぶメッセージ作成のコツ
単に感謝を伝えるだけでなく、ゲストの心に深く響く感動的なメッセージを作成するためのコツをご紹介します。
具体的なエピソードを添える
「ありがとう」だけでなく、その感謝の背景にある具体的なエピソードを添えることで、メッセージに深みが生まれます。例えば、友人に「いつも相談に乗ってくれてありがとう」だけでなく、「あの時、〇〇の相談に乗ってくれたおかげで、今の私があるよ」といった具体的な出来事を加えることで、よりパーソナルな感謝が伝わります。
感謝の気持ちをストレートに伝える
回りくどい表現ではなく、シンプルでストレートな言葉で感謝の気持ちを伝えましょう。「本当にありがとう」「心から感謝しています」といった直接的な表現は、ゲストの心に響きやすいです。
未来への抱負を語る
締めの挨拶では、これからの二人の未来への抱負や願いを簡潔に語ることで、ゲストに温かい気持ちを届けられます。「二人で力を合わせ、笑顔あふれる家庭を築いていきます」「これからも末永く見守ってください」といった前向きな言葉で締めくくりましょう。
写真や映像との連動
エンドロールは映像とメッセージが一体となって感動を生み出します。ゲスト一人ひとりのメッセージの際に、そのゲストと一緒に写っている写真や、結婚式当日の映像をバランスよく組み合わせることで、視覚的にも楽しめるエンドロールを作成できます。
プロの視点から見ると、メッセージと写真の組み合わせはエンドロールの感動を大きく左右します。ゲストが「自分のことだ!」と感じられるような写真を選ぶことが成功の秘訣です。

4. エンドロール挨拶文の注意点とマナー
結婚式というフォーマルな場では、挨拶文にもいくつかのマナーや注意点があります。ゲストに失礼なく、気持ちよく見てもらうために、以下の点に留意しましょう。
忌み言葉・重ね言葉を避ける
結婚式では、「別れる」「終わる」「切れる」「壊れる」「離れる」といった「忌み言葉」や、「重ね重ね」「度々」「くれぐれも」といった「重ね言葉」は避けるのがマナーです。これらは再婚を連想させたり、不幸を招く言葉とされているため、エンドロールのメッセージでも使用しないように注意しましょう。
句読点の使用について
結婚式のメッセージでは、句読点(「、」や「。」)を使用しないのが一般的とされています。これは、「区切り」や「終わり」を意味するため、縁起が悪いと考える風習があるためです。代わりにスペースを空けたり、改行したりして読みやすさを確保しましょう。ただし、高齢のゲストなど、読みやすさを重視する場合は、あえて句読点を使用するケースもあります。最終的には、お二人の判断で決定してください。

句読点については、読みやすさとのバランスが重要です。迷った場合は、プランナーや映像制作会社に相談してみるのも良いでしょう。
メッセージの長さと文字数
個別のメッセージは、1行から2行、または10文字から20文字程度にまとめるのが理想的です。 長すぎるとスクロールが速くなり読みにくくなったり、ゲストが飽きてしまったりする可能性があります。簡潔に、しかし心を込めて伝えましょう。
敬称の付け方
ゲストの名前には「様」や「先生」などの敬称をつけましょう。ただし、新郎新婦の両親は「ゲストをもてなす側」とみなされることが多いため、敬称は付けない方が自然とされています。
ゲストの名前の表示順
ゲストの名前の表示順は、一般的に以下の流れが推奨されています。
- 新郎側のゲスト(主賓 → 上司・恩師 → 会社関係者 → 友人 → 親族)
- 新婦側のゲスト(主賓 → 上司・恩師 → 会社関係者 → 友人 → 親族)
- 新郎新婦の家族(両親、兄弟姉妹など)
ただし、最近では新郎新婦どちらが先でも構わないという考え方もあります。グループごとに五十音順にするなど、見やすさを考慮して決定しましょう。

5. 挨拶文作成に役立つヒントとツール
エンドロールの挨拶文作成をスムーズに進めるためのヒントや、役立つツールをご紹介します。
テンプレートの活用法
一から文章を考えるのが難しい場合は、テンプレートや例文集を活用するのがおすすめです。インターネット上には、様々なシチュエーションに対応したテンプレートが豊富に公開されています。それらを参考に、お二人の言葉やエピソードを加えてアレンジすることで、オリジナリティあふれるメッセージを作成できます。
テンプレート活用時のポイント:
- そのまま使わない:テンプレートはあくまで参考。お二人の言葉でアレンジしましょう。
- 具体的なエピソードを追加:テンプレートの汎用的な表現に、具体的な思い出や感謝の理由を付け加えることで、メッセージが生き生きとします。
- 声に出して読む:実際に声に出して読んでみて、不自然な箇所がないか、感情が伝わるかを確認しましょう。
自作と業者依頼の選択
エンドロールムービーは、自作することも、専門業者に依頼することも可能です。それぞれにメリット・デメリットがあります。
項目 | 自作 | 業者依頼 |
---|---|---|
メリット | 費用を抑えられる、自由度が高い、思い出が深まる | 高品質な仕上がり、プロの技術と経験、時間と手間を削減 |
デメリット | 時間と手間がかかる、技術が必要、クオリティに差が出る可能性 | 費用がかかる、自由度が低い場合がある |
挨拶文の作成も、自作の場合は自分たちで全て考えますが、業者によってはメッセージの相談に乗ってくれたり、添削サービスを提供している場合もあります。お二人の時間や予算、こだわりに応じて選択しましょう。

見直しと推敲の重要性
挨拶文が完成したら、必ず複数回見直しを行いましょう。誤字脱字がないか、忌み言葉が含まれていないか、メッセージの意図が正しく伝わるかなどを確認します。可能であれば、第三者(親しい友人や家族など)にも読んでもらい、客観的な意見をもらうと良いでしょう。
チェックポイント:
- 誤字脱字はないか
- 忌み言葉や重ね言葉は使われていないか
- メッセージの長さは適切か
- ゲストへの感謝の気持ちが伝わるか
- 映像とのバランスは取れているか
6. よくある質問(FAQ)
Q: 挨拶文の最適な長さは?
A: エンドロール全体の長さは3分から5分程度が理想的です。個別のメッセージは1行から2行、または10文字から20文字程度にまとめると、ゲストが読みやすく、映像の流れもスムーズになります。
Q: ゲスト全員にメッセージは必要?
A: ゲスト全員に個別のメッセージを添えるのが理想的ですが、人数が多い場合はグループごとにメッセージをまとめる形でも問題ありません。ゲストは自分の名前が紹介されるだけでも嬉しいものです。
Q: 句読点は使ってもいい?
A: 結婚式のメッセージでは、縁起を担いで句読点を使用しないのが一般的とされています。代わりにスペースや改行で読みやすさを確保しましょう。ただし、読みやすさを優先する場合は使用しても問題ありません。
Q: どんなフォントがおすすめ?
A: エンドロールのフォントは、読みやすさを最優先に選びましょう。明朝体やゴシック体など、シンプルで視認性の高いフォントがおすすめです。また、ムービー全体の雰囲気に合わせて、おしゃれな手書き風フォントなどをアクセントとして使うのも良いでしょう。
まとめ
結婚式のエンドロールに添える挨拶文は、お二人の感謝の気持ちをゲストに伝えるための大切なメッセージです。基本構成を理解し、ゲスト一人ひとりへの感謝を込めた具体的な言葉を選ぶことで、心に響く感動的なエンドロールが完成します。
忌み言葉や句読点などのマナーに注意しつつ、お二人の個性と感謝の気持ちを最大限に表現してください。この記事でご紹介したポイントや例文を参考に、ゲストの記憶に深く刻まれる、最高のエンディングムービーを創り上げましょう。お二人の新しい門出が、温かい祝福に包まれることを心より願っています。
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