iPhone/iPad版のiMovieで予告編動画を作成する

iPhoneやiPadに標準搭載されている動画編集アプリ「iMovie」には、誰でも手軽にプロ品質の動画を作成できる「予告編」機能が備わっています。この機能を使えば、まるで映画の予告編のような魅力的なオープニングムービーやイベント紹介動画を、写真や動画を差し替えるだけで簡単に作ることができます。

本記事では、iMovieの予告編機能を使ってiPhoneやiPadで動画を編集する具体的な方法を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。結婚式のオープニングムービーや旅行の思い出動画、イベントの告知など、様々なシーンで活用できる予告編動画の作成術をマスターしましょう。

iMovie「予告編」機能の全貌:なぜ選ばれるのか?

iMovieの「予告編」機能は、あらかじめ用意されたテンプレートに沿って、写真や動画、テキストをはめ込んでいくだけで、映画の予告編のような短い動画を自動的に生成してくれる画期的な機能です。複雑な動画編集スキルがなくても、プロが作ったようなクオリティの高い動画が手軽に作れるのが最大の魅力です。

予告編機能の主な魅力とメリット

  • 手軽さ:テンプレートに沿って素材を差し替えるだけで完成するため、動画編集の経験がなくても簡単に始められます。
  • プロ品質:ハリウッド映画のようなBGMやタイトルアニメーション、トランジションが自動で適用され、プロが作ったような仕上がりになります。
  • 豊富なテンプレート:様々なジャンルや雰囲気のテンプレートが用意されており、用途に合わせて選べます。iOS版iMovieでは、執筆時点で14種類以上のテンプレートが標準搭載されています。
  • 短時間で作成:構成がすでに決まっているため、素材さえあれば短時間で動画を完成させることができます。
  • Apple製品との連携:iPhoneやiPadで撮影した素材をスムーズに取り込み、編集できるため、Appleユーザーにとって非常に利便性が高いです。

具体的な活用シーン

iMovieの予告編機能は、以下のような様々なシーンで活躍します。

  • 結婚式のオープニングムービー:新郎新婦の紹介や、式のテーマを伝える感動的なオープニングムービーを自作できます。
  • 旅行やイベントの思い出動画:旅のハイライトやイベントの雰囲気を凝縮した、記憶に残るショートムービーを作成できます。
  • SNS投稿用のショート動画:YouTubeやInstagramなどのSNSで目を引く、インパクトのある動画を手軽に作成し、共有できます。
  • ビジネスでの商品・サービス紹介:新商品のプロモーションやサービスの魅力を短時間で伝える動画としても活用できます。
  • 学園祭や発表会の告知:イベントの雰囲気を伝え、参加を促すための魅力的な告知動画が作れます。

iMovieの予告編機能は、動画編集の初心者にとって非常に強力なツールです。テンプレートを活用することで、まるでプロが作ったかのようなクオリティの動画を、驚くほど簡単に作成できます。まずは気軽に試してみて、その手軽さと仕上がりの良さを実感してみてください。

【実践】iPhone/iPadで予告編動画を作成する基本ステップ

ここからは、実際にiPhone/iPad版iMovieで予告編動画を作成する手順を詳しく見ていきましょう。

ステップ1:予告編プロジェクトを新規作成する

通常のムービープロジェクトとは異なり、予告編は専用のプロジェクトとして作成します。すでにムービープロジェクトを編集中の場合は、一度そのプロジェクトを閉じてから新規で予告編プロジェクトを作成しましょう。

  1. iMovieアプリを開き、「プロジェクト」タブをタップします。
  2. 画面上部の「+」ボタンをタップします。
  3. 「新規プロジェクト」の選択肢の中から「予告編」を選択します。

ステップ2:最適な予告編テンプレートを選ぶ

「予告編」を選択すると、様々なスタイルのテンプレートが表示されます。それぞれ異なる雰囲気や構成を持っています。

  1. テンプレートのサムネイルをタップすると、そのテンプレートのプレビュー動画が再生されます。
  2. 動画のテーマや雰囲気に合ったお好みのテンプレートを選びましょう。
  3. 気に入ったテンプレートが見つかったら、右上の「作成」ボタンをタップします。選択したテンプレートで予告編ムービーの作成が始まります。

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テンプレート選びは、予告編動画の印象を大きく左右します。プレビューをしっかり確認し、動画のテーマや伝えたいメッセージに最も合うものを選びましょう。例えば、結婚式ならロマンチックなもの、イベント告知ならエネルギッシュなものなど、目的に合わせて選ぶのがおすすめです。

予告編の編集方法:アウトラインと絵コンテを使いこなす

テンプレートを選んだら、いよいよ動画の編集に入ります。iMovieの予告編編集は、「アウトライン」と「絵コンテ」の2つのタブを切り替えながら進めます。

ステップ3:アウトラインを編集する(動画の基本情報設定)

「アウトライン」タブでは、ムービーのタイトル、スタジオ名、キャスト、クレジットなどの基本情報を入力します。これらのテキストは、予告編本編の冒頭や最後に自動的に挿入されます。どの部分で使われるかは、選択したテンプレートによって異なります。

  1. 画面下部の「アウトライン」タブをタップして切り替えます。
  2. 表示されている各項目(ムービー名、スタジオ、キャスト、クレジットなど)をタップし、ソフトウェアキーボードを使って自由にテキストを入力します。
  3. 入力が終わったら、キーボードを閉じます。

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アウトラインで入力する情報は、動画の「顔」となる部分です。特にムービー名やスタジオ名は、動画のテーマを端的に表すように工夫しましょう。結婚式のムービーなら、新郎新婦の名前や結婚式のテーマなどを入れると良いでしょう。

ステップ4:絵コンテで素材をはめ込む

「絵コンテ」タブでは、テンプレートの各シーンに写真や動画、コメントテキストを差し替えていきます。各シーンには「ワイド」「グループ」「アクション」といった指示が表示されており、それに合った素材を選ぶとより効果的な予告編になります。

  1. 画面下部の「絵コンテ」タブをタップして切り替えます。
  2. 差し替え編集を行いたい部分の仮の写真や動画スペースをタップします。
  3. ライブラリブラウザが表示されるので、「ビデオ」「写真」「カメラ」タブから、予告編ムービー内で実際に利用したい写真や動画を選択します。
  4. 選択した素材が自動的に挿入されます。

写真を選択して差し替えが出来ました。写真や動画のどちらでも挿入することが出来ます。

動画の場合:動画の採用範囲を指定する

予告編テンプレートでは、各パートやクリップ単位の時間の割り振りが決まっており、これらのデュレーション(時間的な長さ)は変更できません。そのため、動画クリップを挿入する場合には、動画の中から利用する時間的な範囲を指定する必要があります。

  1. 挿入した動画クリップをタップします。
  2. 画面下部に表示されるトリミングバーで、動画クリップを左右にドラッグして、予告編で利用したい適切な範囲(イン点とアウト点)を指定します。
  3. 「完了」をタップして確定します。

写真の場合:Ken Burns効果でズームを調整する

差し替えて挿入したクリップが写真であった場合には、Ken Burns(ケン・バーンズ)効果と呼ばれるズーム効果の調整を行います。iMovieでは写真を挿入すると自動的にズーム効果が挿入されますが、あくまでもランダムなズーム効果になるため、位置がずれている場合があります。写真に写っている人物の顔にズームするなど、強調したり目立たせたい箇所に適切にズームがいくように調整を行いましょう。

  1. 挿入した写真クリップをタップします。
  2. 画面右下に表示されるKen Burns効果のアイコン(虫眼鏡のようなマーク)をタップします。
  3. 「開始」または「終了」のボタンを切り替えながら、ビューア上でドラッグやピンチを使って位置とサイズを変化させます。
  4. 開始時の位置とサイズから、終了時の位置とサイズに変化していくことによって、ズームインやズームアウトの効果を作ることができます。
  5. 調整が終わったら「完了」をタップします。

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Ken Burns効果は、静止画に動きと躍動感を与える非常に効果的な機能です。写真のどの部分を強調したいか、どのようにズームさせたいかを意識して調整することで、よりプロフェッショナルな印象の動画に仕上がります。特に人物の顔や重要なオブジェクトにズームインすると、視聴者の視線を引きつけやすくなります。

テキストの編集

「絵コンテ」タブからは、写真や動画以外にコメントテキストを差し替えることもできます。テンプレートによっては、各シーンに短いコメントやキャプションを挿入する箇所が用意されています。

  1. 青色のバーの領域にテキストが表示されている箇所をタップします。
  2. ソフトウェアキーボードを使って、表示したい文字を自由に入力します。
  3. 入力が終わったら、キーボードを閉じます。

作成した予告編を確認・調整する

一通り素材の差し替えやテキストの入力が終わったら、必ずプレビューで仕上がりを確認しましょう。

ムービーのプレビュー確認

iMovieには2種類のプレビュー方法があります。

簡易プレビュー

右側に表示されている再生アイコンからは、時間のインジケータが置かれている箇所からの簡易プレビュー再生ができます。今編集している領域をサクッと確認したい時に便利です。

完全な全画面プレビュー

最初から完全な状態でプレビュー確認を行いたい場合には、左側に表示されている再生アイコンを利用します。全画面表示でムービーの冒頭から再生することができ、全編を通してしっかり確認したい時にこちらのプレビュー方法がおすすめです。

予告編ムービーの微調整

プレビュー確認後、写真や動画クリップを別のものに変更したり、テキストを修正したりして微調整を行いましょう。

写真や動画クリップを変更する場合

一度挿入した動画や写真クリップを別のものに変更したい場合は、以下の手順で差し替えます。

  1. 変更したいクリップをタップします。
  2. 画面下部に表示されるゴミ箱のアイコンをタップして、差し替え済みのクリップを削除します。

その後、再度「絵コンテ」タブから、差し替えたい写真や動画を選択して挿入します。この際、動画の場合は適切な範囲を指定し、写真の場合はKen Burns効果を調整することを忘れないようにしましょう。

テキストの修正も同様に、該当するテキスト部分をタップして編集し直すことができます。全体の流れや雰囲気に合わせて、必要に応じて調整してください。

予告編ムービーの書き出しと共有

満足のいく予告編動画が完成したら、最後に書き出し(エクスポート)を行います。これにより、iPhoneやiPadの「写真」アプリに動画ファイルとして保存され、様々な方法で共有できるようになります。

ステップ5:予告編ムービーを書き出す

編集が完了した予告編プロジェクトは、以下の手順で書き出します。

  1. プロジェクト編集画面の左上にある「完了」ボタンをタップします。
  2. プロジェクト一覧画面に戻るので、作成した予告編プロジェクトを選択します。
  3. 画面左下にある共有アイコン(四角から矢印が出ているマーク)をタップします。
  4. 共有オプションが表示されるので、「ビデオを保存」を選択します。

「ビデオを保存」を選択すると、動画の解像度を選択する画面が表示されます。通常は「HD (1080p)」を選択すれば十分な画質で保存できます。より高画質で保存したい場合は、「4K (2160p)」を選択することも可能ですが、ファイルサイズが大きくなります。

解像度を選択すると、動画の書き出しが開始されます。完了すると、「写真」アプリに保存されます。

ステップ6:作成した動画を共有する

「写真」アプリに保存された予告編動画は、様々な方法で共有できます。

  • メールで送信:メールアプリを開き、新規メール作成画面で写真ライブラリから動画を選択して送信します。
  • メッセージで送信:メッセージアプリを開き、宛先を選択して動画を送信します。
  • SNSで共有:Instagram、Facebook、TwitterなどのSNSアプリを開き、動画を投稿します。
  • クラウドストレージに保存:iCloud DriveやGoogle Driveなどのクラウドストレージに保存し、リンクを共有することも可能です。

結婚式のムービーであれば、ゲストに事前に共有して期待感を高めることもできますし、旅行の思い出動画であれば、友人や家族と簡単に共有して感動を分かち合うことができます。

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動画の共有方法も多様化しています。SNSでシェアする際は、ハッシュタグなどを活用すると、より多くの人に見てもらえるチャンスが広がります。また、結婚式のオープニングムービーとして使用する場合は、事前に会場のスクリーンで再生テストを行うことをお勧めします。

iMovie予告編機能の応用テクニック

基本的な作成手順をマスターしたら、さらにクオリティを高めるための応用テクニックもご紹介します。

テンプレートのカスタマイズ

iMovieの予告編テンプレートは、基本的な構成が決まっていますが、一部カスタマイズすることも可能です。例えば、特定のシーンの長さを調整したり、不要なシーンを削除したりすることもできます。ただし、テンプレートの構造を大きく変更することは難しいため、あくまでも微調整に留めましょう。

BGMや効果音の追加・変更

iMovieには、テンプレートに合わせたBGMが自動で適用されますが、自分で用意したBGMに変更したり、効果音を追加したりすることも可能です。これにより、動画の雰囲気をさらに豊かにすることができます。

  1. プロジェクト編集画面で、タイムライン上のBGM部分をタップします。
  2. 画面上部に表示されるオプションから、「オーディオ」を選択します。
  3. 「サウンドエフェクト」や「ミュージック」から、好きなBGMや効果音を選択して追加できます。

著作権に注意しながら、動画のテーマに合った音楽を選びましょう。

トランジションの変更

シーンとシーンの切り替わりには、トランジション(画面効果)が自動で適用されますが、これも変更可能です。よりスムーズな切り替えや、印象的な演出を加えたい場合に活用できます。

  1. タイムライン上で、シーンとシーンの間にあるトランジションアイコンをタップします。
  2. 様々なトランジションエフェクトが表示されるので、好みのものを選んで適用します。

まとめ:iMovie予告編機能で、あなたの動画制作をもっと楽しく!

iMovieの予告編機能を使えば、特別なスキルがなくても、まるでプロが作ったようなクオリティの高い動画を、iPhoneやiPadで手軽に作成できます。結婚式のオープニングムービーから、旅行の思い出、SNS用のショート動画まで、様々なシーンで活用できるこの機能は、あなたの動画制作の幅を大きく広げてくれるはずです。

今回ご紹介した基本的なステップや応用テクニックを参考に、ぜひiMovieの予告編機能を活用して、あなただけの特別な動画を作成してみてください。きっと、動画編集がもっと楽しく、クリエイティブなものになるはずです。

もし、さらに高度な動画編集に挑戦したい場合は、iMovieの通常のムービー編集機能や、より多機能な動画編集アプリの利用も検討してみると良いでしょう。しかし、手軽に短時間で印象的な動画を作成したいという目的であれば、予告編機能は非常に強力な味方となります。

さあ、あなたのアイデアとiMovieで、素晴らしい動画を作り上げましょう!

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